超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

歳時記俳句・夏花摘み

2024-07-13 00:03:09 | 自作俳句
滞る車輪が回る夏の汽車
一日でひと夏分の仕事終え
梅雨降りて乾いた命潤えり

偶然にまた繋がりて矢車草
梅雨の塀ゆっくり動く蝸牛かな
山道で見つけしままに夏花摘み

執着をどうにか為さむ花菩提
公園の池に揺蕩う蓮の花
風通しよい部屋の隅 仏桑花

煩悩を笑顔で叱る閻魔堂
終点の遠くの町で薪能
夕焼けはまるで真夏の来迎図
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歳時記俳句・千日紅

2024-07-12 00:03:24 | 自作俳句
夏暁の水と光と大気かな
夏の日の巡り合わせが顔を出す
偶然は夏雨として降り注ぐ

夏の世が回らなくては立ち行かず
夏草が萌え輝きて立ち止まる
町からも青山見えて夏の雲

一日がまた動き出す夏曙光
一切の疲れを払う梅雨の冷え
いつからか庭先淡き木槿かな

背後から日々を支える千日紅
新しき半袖着れば燕飛ぶ
庭先で挨拶をする野紺菊
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歳時記俳句・分水嶺

2024-07-11 00:03:14 | 自作俳句
抜歯せり歯科衛生士に風青し
薬局のレジ打つ速さ風露草
麻酔後は気をつけて噛む無花果パン

追憶は夏の星座や天文台
淡き夢目覚めし後に飛燕草
待ち人の便り届いてむくげ咲く

鉱石を採りに出掛ける夏列車
青草に転がる石や宛もなく
終点へ辿り着くかな鉄道草

汗を拭きペダルを止める夏の瀧
梅雨晴れの時を数える時計草
旅の果て分水嶺や夏半ば
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歳時記俳句・瀧しぶき

2024-07-10 00:03:19 | 自作俳句
出来る事出来ない事が見える夏
梅雨晴れと言うにはかなり長きかな
呼び鈴の押される前に燕来る

夏の筆ひとまず置いて出来を待つ
半月でようやく治る夏の傷
灼ける日にシャツと短パン買いに行き

買い物の合間に安い夏床屋
猛暑日に街に出掛けて少し痩せ
夏の月ヨアヒム・ラフの交響楽

この夏がやや報われる瀧しぶき
店先の撫子の花風薫る
炎天下恙なしとぞ風便り
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歳時記俳句・夏の雲

2024-07-09 00:03:09 | 自作俳句
朝曇り今日の暑さを思わせる
小暑にて益々赤いゼラニウム
後半生思いて眺む夏の月

炎天に息も絶え絶え麦茶かな
少年が網持て走る夏の雲
止まらない積乱雲の七変化

日の盛り部屋に籠もりて音楽史
夏ジャケも役に立たない油照り
夏の憂さ全て忘れる通り雨

降る時は梅雨出水を気に掛ける
あの町も咲きにけるかな飛燕草
紅の花紅そのままに風変わる
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