2014/07/26の観測で、僕のポータブル電源、SG2号(ほぼ新品のSG-3500LED)が、満充電の状態からノートパソコンに電気を供給していましたが、わずか4.5時間で空になりました。
SG-3500LEDは、12Vの直流電源で、20Ahの容量があります。
それに対して、ノートパソコンにもともと内蔵されていたバッテリーの容量は4Ahです。
(ノートパソコンは2006年製で、内蔵バッテリーは機能を失って久しいです)
ノートパソコンなわけですから、その4Ahで、おそらく4時間くらいは動いたはずです。
それが、今回、5倍の容量を持つSG-3500LEDにつないで、わずか4.5時間でバッテリー切れになりました。
走らせていたソフトウェアはPHD guidingという、10MBにもならないフリーウェアだけです。
(それ以外に、ノートパソコンのUSBソケットから、USBケーブル経由でオートガイド用CCDに給電している。2014/11/02 加筆)
この原因はなにか。
原因はノートパソコンとSG-3500LEDのつなぎ方にありました。
そのつなぎ方とは、ノートパソコンの電源コードの差し込みプラグを、SG-3500LEDのコンセントに差し込む、というものでした。
(下の写真のように、SG-3500LEDにはコンセントがあるんです)
「なんだ、普通の、当たり前のつなぎ方ではないか」
でも、これ、やっていることを逐一確認して行くと、とんでもないつなぎ方なんです。
SG-3500LED内蔵の鉛蓄電池から取り出されるのは12Vの直流電流です。
コンセントは、100Vの交流電流です。
SG-3500LEDのバッテリーから出発した12Vの直流電流は、SG-3500LED内蔵のインバーターを介して100Vの交流電流に変換されます。
変換された100Vの交流電流はプラグからコードの途中にある箱型のACアダプターにいき、19Vの直流電流に再び変換されて、ノートパソコンに届きます。
(下の写真は、パソコンの電源コードの途中についているACアダプター(AC-DCコンバーター))
長くなったので、もう一度まとめると、
「12Vの直流電流」は、「100Vの交流電流」に変換されて、次に「19Vの直流電流」に再び変換されて、ノートパソコンに届く、というカラクリなんです。
(ディオの)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄~!」の声が聞こえてきませんか?
12Vの電圧を100Vに上げるだけでもそれなりのエネルギーが必要なことが想像されます。
また、100Vの交流電流を19Vの直流電流に変換するACアダプターが熱くなるのを知っている人は少なくないと思います。
変換するために、また、電圧を下げるために、エネルギーの一部を熱として捨てているんです。
そんなことせずに、素直に12V直流電流を19V直流電流に変えられないのでしょうか?
そもそも、ノートパソコンの内蔵バッテリーの電圧は9.6Vです。
ノートパソコンを内蔵バッテリーで動作させるために、9.6Vの電圧を19Vに変圧する仕組みがノートパソコンに内蔵されているはずなのです。
それなら、直流電流の電圧を変えるだけの機能を持った機器が存在してもおかしくないはずです。
ネット検索をかけると、あった!
しかもAmazonや楽天で普通に売ってる。
これらです。
(DC12V用 マルチ電源コンバーター)
(パソコン電源アダプター)
値段もインバーターとたいして変わりません。
こいつを使えば、インバーターとコンバーターを経由して2回も変圧させるより、はるかに効率の良い電源利用が可能になるはずです。
僕の所有する2006年製のノートパソコンに元々内蔵されていたバッテリーの容量は4Ahです。
その4Ahで、このノートパソコンを仮に4時間、作動させることができるとすると、20AhのSG-3500LEDなら20時間保つ計算になります。
(実際には、鉛蓄電池は蓄電したすべての電気を給電できるわけではないので、20時間は保たない。またオートガイドでは、ノートパソコンだけでなく、オートガイド用のCCDへもノートパソコンのUSB経由で給電するので、20時間はまず期待できない。2014/11/02 加筆)
検証はまだですが、SG-3500LEDで一晩くらいは間違いなく保つでしょう。
(SG-3500LEDで一晩、絶対に保ちません。原因はよくわかりませんが、やってみて、とにかく保ちません。SG-3500LEDにこだわるなら最低でも3つ持って行かないと一晩保ちません。充電時間がかかりすぎることと、体積と従量がかさむのでSG-3500LEDでのパソコンへの電源供給を諦めました。2015/11/22)
★まとめ その2
⚫︎外部バッテリーでノートパソコンを動かすときは、インバーターやACアダプターを経由させず、直流電流変圧器で接続すべし。