この日は正直、あまり良い天気予報ではありませんでした。
西高東低の典型的な冬型の気圧配置。
日本海側が雪で、その雪雲が南アルプスまで迫っており、日中は雨、日を越したあたりから東の空が晴れてくるかな、という感じ。
月も22時過ぎまである。
勝負は日を越してからなので、焦らず現地入り。
現地入りした時点で雨が残っている可能性があり、かつ、観測中に南アルプスを雪雲が乗り越えてくる可能性もあり、今回はタープを持ち込みました。
前々から観測にタープを使ってみたい気持ちはありました。
タープは比較的簡単に設営できるものなのですが、やはり慣れが必要です。
ベグを打ち終わるところまでがちょっと面倒に感じます。
今回はペグの代わりに防草シートの固定ピンを用いました。
先端が尖ったU字の太い針金です。
先端が尖ったU字の太い針金です。
押さえ板と合わせてコメリで50セット¥1,500弱。
キャンプ用品として売られているアルミ製のペグを持っているのですが、刺さりにくく、固定力が強くありません。
地面に刺さりづらくて、金槌で無理に叩くと、アルミなので簡単に変形して、こちらの心も凹みます。
高いものなので、放置もしづらい。
防草シートの固定ピンは安いし、破損しても心が痛まず、しっかり固定され、放置に向いてます。
赤道儀を設置する場所は毎回同じなので、タープの位置も同じになります。
タープのロープを固定する固定ピンが予め設置されていれば、タープは3分以内に設置できます。
雨が降ってきてからタープを心に余裕を持って張ることができます。
今までは、雨が降ってきたら、望遠鏡と赤道儀には大きなビニール袋を被せ、観測機器が載った机はビニールシートを被せてました。
しかし、その後の撤収作業が問題になります。
ビニールを被せた望遠鏡や観測機器の上に、さらにタープを張れば、機材を雨に濡らすことなく撤収作業ができるというわけです。
これでストレスがまた一つ減りました。
タープペグ代わりの固定ピンを設置したら、タープを撤収。
ONSTEP GPの設置にかかります。
今回の新しい工夫として、透明なビニールシートをかけました。
前回も前々回も、機材が夜露でぐっしょり濡れました。
ここは2本の河川に挟まれた土地なので、無風の時は夜露がすごい。
透明なビニールシートなら、ビニールシート越しにモニターが見れるので、手をビニールの下に入れてパソコン操作をできます。
ビニールシートは洗濯バサミで固定しました。
今回、観測中に思いついて、今更ながらですが、キーボードカバーを購入しました。
いつもキーボードがビチョビチョに濡れるので。
見えづらいですが、ミニPCも電源タップもプラスチックボックスに収納しています。
配線類はプラスチックボックスに開けた穴を通してます。
ここ5年ほどずっと巨大ニュートンにばかり手を取られて、普通の赤道儀での観測がご無沙汰になってました。
これからはEQ6proやONSTEP GPなどを少しずつ持ち出したいと思っています。
この夜は結局、夜半を過ぎてもなかなか雲が切れませんでした。
結局、東の空が晴れてきたのはAM2:00過ぎ。
雲がどいた直後はシンチレーションが悪く、シンチレーションがある程度良くなってきたのはAM4:00くらいからだったでしょうか。
機材の動作チェックと、僕自身の機材セットアップの練習日という位置付けでしょうか。
天体観測って、機材のセットアップ手順が非常に多いので、結局どれだけ体を動かしたかで勝負が決まるところがあると思います。
特に僕は要領が悪いので、反復練習がものを言います。
学生時代のスポーツみたいに集中的に練習できればいいのですが、そこは悲しき会社勤め。
なかなかまとまった時間を取れないので、やれる時にコツコツやるしかない。
それでも、少しはまともになってきたかな。
Onstep GPのキャリブレーション。
ガイド鏡は無銘のf=200mm, F4です。
一見、ずいぶん良さそうではないか。
でも、なぜ赤経・赤緯ステップ数が「7」なのか?
ウィザードでプロファイルを作っているので、赤経・赤緯ステップは「12」になるはずなのですが。。。
何かがおかしい。
余裕がある時にプロファイルを作り直さなければならないようです。
ガイドアシスタント
やはり適当に極軸を合わせたのではダメですね。
極軸設定エラーをせめて3分角以内にしたい。
次回は面倒くさがらずにせっかく持っているポールマスターを使うことを誓いました。
バックラッシュ、まだまだ大きいですね。
とりあえず、今回はグラフ内で南北に動くことが確認できただけで良しとしますが、南北両方向のオートガイドに耐えるレベルのバックラッシュに調整したいものです。
AM3:30頃からやっと晴れてくれて、撮影できた獅子座のM95, M96, M105, NGC3384, NGC3389付近
望遠鏡はBLANCA-80EDT (f=480mm)+笠井の×0.8レデューサ(焦点距離384mm相当)
ここまで星が小さいと周辺の星像が少し崩れていてもまったく気にならなくて気楽です。
晴れるまで時間がたっぷりあったので暇だったかというとそうではありませんでした。
巨大ニュートンで撮影する画像の星像がよろしくない。
原因を検索すると、長時間待っている間に気温が下がったためか、ピントが少しズレてました。
しかし、ピントを修正しても星が完全に丸くならない。
色々原因検索をしたのですが、おそらく、バランスの問題なのかな?と。
この巨大ニュートン、回転方向にある側(今回は東の空に向けていたので、望遠鏡側)が少し重くなるようにバランスを崩してやるとうまく動いてくれます。
モーターが少しパワー不足であるがため、だと認識しています。
(鏡筒だけで500kgくらいありそうですから)
今回はそのバランスを崩し過ぎたようです。
望遠鏡とウェイトの適切なバランスは、望遠鏡とウェイトの位置関係によって少し変わってくるのかな、という印象を受けました。
今回は東の空を狙っていたので、撮り始めはウェイトが低い位置にあり、望遠鏡が高い位置にきます。
時間と共に被写体が空の高い位置に移動してゆき、それを追う望遠鏡が低い位置へ移動し、ウェイトが持ち上がってくる。
つまり、時間と共に望遠鏡とウェイトを結ぶ線が水平に近づいてきます。
ウェイトが低い位置にある時は赤道儀を回転させるモーターがより大きなパワーを必要とし、ウェイトが水平に近い位置にある時はそれほどパワーを必要としないことが考えられます。
よって、それに応じた適切なバランスがあるのでしょう。
今回は、巨大ニュートンでM82 葉巻銀河だけを撮影できました。
EOS Ra
ISO 6400
120 sec
32枚コンポジット合成
等倍トリミング。
星が丸くないのがわかると思います。
M82は北極星に近いので、オートガイドが暴れることは稀なのですが、今回は過去最悪レベルで暴れてくれました。
時折、雪がちらつく空でしたので、シンチレーションが良くなかったのはありますが、それだけでは説明できない暴れ方でした。
布団のシーツや掛け布団カバーを洗濯するために回収しました。
新年に綺麗な気持ちのいい布団で眠れるように。。。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます