前回の続きです。
護国寺に居ます。
ここの墓地の前にも門扉があります。
覗きます。
従一位勲一等伯爵田中光顕の墓です。
小春日和の西日に照らされて暖かそうです。
こちらにも紅葉に包まれて暖かい日差しに佇んでいる門扉がある墓があります。
もう察しが付きます。
また、爵位を持った人なのでしょう?
覗きます。
公爵山縣家とあります。
山縣有朋だと思います。
この辺の偉人は「墓参ら~」の範疇を超えます。
ここには思いをはせて同化できる故人が居ません。
帰ろうとしていたら、
こんな人が居ました。
「空手バカ一代」の大山倍達の墓です。
彼に対して悪意はありませんが、俗人の登場にホッとした気分です。
ですが、彼に対しても、「墓参ら~」として彼の時代を思い彼の心情を思う対象にはなりません。
帰ります。
不老門の向こうに参拝者が西日の中やって来ます。
その向こうには仁王門が佇んでいて、そしてその向こうは夕方が近い東京の街です。
この話、続きます。