駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

忘れられる少子高齢化対策

2017年12月26日 | 世の中

   

 人口構成がどうなってゆくかはもう何十年も前から分かっていたことで、そのマイナスの影響についても二十年くらい前から問題視されていたと記憶する。しかし、政府や政治家はその重大さ深刻さを十分には認識しておらず?、効果的な対策を取って来なかった。今年の出生数は100万人を切り戦後最低で小手先の対策では全く効果がないことが現れている。フランスでは出生率は上がり、中国では人口爆発が抑えられた。有効な対策がないわけではない証左だ。

 内閣はあたかもアベノミクスで失業率が下がっているようなことを喧伝していたが、どうかしているのではないか。働ける人口が減れば失業率が下がるのは、経済学のけも知らない医者でもわかる。当然3Kの職種は深刻な人手不足に陥り、勉学に来たはずの留学生を流用してその場しのぎをしているのが実態だ。

 二十年以上前から分かっていた若年人口減から起きてくる労働力不足、高齢者増からくる福祉負担増にまともな対策が立てられなかった。私は人間の病気を診るのが専門だが、これは日本病だと思う。

 問題や批判から目を逸らす戦術を繰り出し、抜本策を先送りにする内閣とそれに流されてしまう有権者の相乗効果で、病は重症になってきている。日馬富士が若手をぶん殴ったことが日本の一大事だろうか、あれこれ論評は面白いかもしれないが、マスコミを総動員して世論を席巻する問題とは思えない。

 面倒な問題から目を逸らし先送りにする体質によって折角のきめ細かく誠実な日本の良さが台無しになる危険が迫っているような気がするのは私の錯覚だろうか?。

コメント
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