作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

今年の初雪、小説『親和力』

2021年12月18日 | 日記・紀行

吹雪に隠れて比叡山は姿を見せない。

 

2021(令和3)年12月18日(土)小雪、曇

今朝、目覚めて外を見ると雪が降り積もっていた。今年になって初めての雪だ。
久しぶりにドライブを兼ねて、歌人西行も憧れた能因法師の足跡を辿りに高槻市方面に訪れてみようかと思っていた。最近になってようやく少しでも時間に余裕ができたから。

しかし、吹雪く外の景色を見て外出する気持ちも一気に萎えてしまう。今日は大人しく一日家にいることにした。別に今日でなくともいい。
それで、終日ネットで動画を見たり、電子書籍を探したりしていた。その中に、ゲーテの『親和力』を見つけたので、ダウンロードした。

Amazonの ポイントが長年の間にかなり貯まっていたのでそれを使う。この小説はもう何十年も前に岩波文庫で読んだことがあるが、大して興も湧かなかったのか、その内容も今になってはすっかり忘れてしまっている。

その文庫本は、今もどこかにあるはずだけれど最近は見たこともない。昔は文庫本の小さな活字も何ら苦にならなかったのに、最近ではメガネなしには読めなくなっている。だからこの頃は電子書籍をタブレットで読む方が読みやすくはなっている。けれどもまだ十分に慣れていないせいか読書速度はどうしても落ちるように感じる。

第一章

見晴らしのよい風光明媚な丘の上に立つ男爵エドアルトの所有する邸宅の庭園で交わされる彼の妻シャルロッテとの対話から、この小説は始まる。

男爵のエドアルトは彼の古い友人である大尉が十分に落ち着ける職業を見出せるまでの間、彼を自分の邸宅に招くことによって日頃の友情を大尉に示そうと考えていた。

庭園の手入れを終えたエドアルトは、邸の傍にシャルロッテが新しく造った東家の中で、そのことを妻である彼女に打ち明けて相談する。

しかし、妻のシャルロッテは夫である男爵との二人の水入らずの生活の中に、他人の大尉が割りこんでくることに一抹の不安を予感する。たとい大尉が男爵エドアルトの幼なじみで長年の友人であるとしても、そして大尉に対するエドアルトの善意の提案にもさまざまな理由をあげて女性らしい気がかりを明らかにする。

第二章は、その翌日の話。

男爵のエドアルトはどこまでも大尉の面倒を見ることで友人の男気を示そうと、妻シャルロッテに説得をつづける。その対話の中で一方の妻のシャルロッテもまた寄宿舎生活に馴染めていない姪のオッティーリエの存在を気にかけていることを打ち明ける。

そこでエドアルトはシャルロッテの姪のオッティーリエも彼の友人である大尉も二人を彼らの邸宅に招いてはどうかと提案する。しかし、シャルロッテは大尉とオッティーリエを同じ家に暮らさせることを心配する。そして、この時たまたま屋敷を訪れてきた修道士あがりの弁護士ミットレルにそのことを相談するけれども、先のことはわからないとはぐらかされる。

こうした二人の間の会話のやり取りの中のエドアルトの回想から、エドアルトのもともと結婚相手はシャルロッテが養女にしていたオッティーリエであったことがわかる。それにもかかわらず、彼女の叔母で年上の、しかもすでに一人娘のいたシャルロッテの方をエドアルトは妻にしたことも明らかになる。

そんな時に大尉から不本意な職に就くことを知らされたエドアルトは、とうとうシャルロッテを強引に説得して大尉を彼らの屋敷に受け入れることを認めさせる。そして妻への熱烈な感謝を埋め合わせるようにエドアルトはオッティーリエを寄宿舎学校から呼び寄せることをシャルロッテに強く勧める。

⎯⎯⎯ この調子では、いつになったらこの小説を読み終えることができるのか。

 

 


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