久しぶりに御所に行きました。ちょうど迎賓館が公開されていましたので見てきました。日本の建築や絵画、織物、家具調度などの伝統を生かしたゲストハウスで、東京にある赤坂離宮の洋館とは違って京都にもなじむ美しい建築です。古木の一枚板を使った天井の木目も美しい。漆塗りの座卓も釘隠しも、また天井板に彫られたトンボや蝶も念入りな手仕事でした。この夏にもイギリスのメイ首相が来日した時に、渡し橋の上から池の鯉に餌を投げやっている様子がニュースで報道されていました。
天正拾七年八月の文字が読める。天正年間といえば、天正拾年の1582年には本能寺で信長が殺されています。迎賓館の庭園には昔の石材も素材に使われています。
紫の貴婦人
昔に見た少女は、今はやや細身の貴婦人となって、
私の眼前に現れた。
黒いセーターに、紫のジャケット。
昔のロシアの貴婦人のように
私の過去の面影を奥深くに潜めながら
その存在そのものが、この世の奇跡のように
今、私の前に立っている
歓びの反復と、悲しみの永劫回帰。
昔に見た少女は、今の私には悲しみの歓び
また再び彼女に見える日々の来ることあれば
昔に見た少女は、豊かな貴婦人の母。
京都迎賓館