【民主党代表選】菅首相が小沢氏に圧勝 721対491
民主党の改革能力
民主党党首選が終わった。結果は菅直人氏が小沢一郎氏を破って党首選を制した。常識的な国民の意思が実現されたというべきだろう。
菅直人氏が首相に選任されてまだ半年にもならないし、小沢一郎氏については、たった三ヶ月ほど前に、鳩山由紀夫氏と「政治とカネ」の問題と「普天間基地の移転問題」での迷走ぶりの責任を取って、抱き合わせで幹事長を辞職したばかりであり、まだほとぼりも十分に冷めない間に首相の座への復権はいくら何でも許されないという、国民世論の常識的な判断が、今回の民主党党首選においても働いたと言うべきだろう。
そして、小沢一郎氏の主張する「政治主導」なるものが、小沢一郎氏の幹事長室にすべての税金の割り振る権限を集中するという、故田中角栄氏伝来の極限の利益誘導政治に他ならないことも明らかになってきた。また、昨年末の小沢一郎氏の一族郎党の子分を引き連れての、中国・韓国に対する媚態、朝貢、謁見外交の本質的な姿が明らかになり始めたばかりである。多数の掌握という多数決原理の民主主義から、天皇の意向も自由にしようという、独裁者の片鱗を、その間に垣間見ることもできた。
現在の民主党の指導者幹部たちが、どれほどの思想的、哲学的能力の持ち主であるかを、野党時代の民主党を追跡したおりに考察したこともあるが、やはり、結果はこの一年における民主党の行政能力に見るとおりになっている。民主党の節度のないバラマキ財政は、国家の財政破綻の危機を早めるだけである。それも、国民が国家財政の真実を早く知るきっかけになってかえって良いのかもしれない。
鳴り物入りで始めた「国家戦略局」にしても、能力ある人材を得なければ、それも絵に描いた餅に終わる。能力、能力、能力それがすべてである。能力がなければ、夢も実行できない。
たった八ヶ月ほどばかりだけ首相の座にあった鳩山氏の在任期間も含めて、民主党が政権交代を果たしてから、ほほ一年を経過して明らかになってきたことは、やはり、現在の民主党がどれほどに政権担当能力を欠いた政権であるか、と言うことであっただろう。早く現在の自民党と民主党をそれぞれ解体し政界再編を果たして、新自由党と新民主党による品格ある政党政治の実現を期待したい。それも、人材を得てこそ実行可能である。