キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

お洒落

2007年02月26日 | Weblog
日本からはパリ空港を経由してイタリアに入った。
パリ空港は驚くほどお洒落だった。
なにもかも。

空港の建物も、広告も、店も、人も。

アメリカとぜんぜん違う。
アメリカの広告はドストレート。
こっちの広告はデザインにこだわっていて何の広告かわからないくらい。

人もアメリカはびっくりするくらいお洒落じゃなかった。
日本人のほうがよっぽどお洒落だと思った(僕が言っていいかわからないけど)。
パリも、そしてイタリアもそれ以上に人がお洒落だ。

街もホテルもなにもかもがお洒落に見えてくる。
歩いていて楽しくなる。
これは、アメリカや日本にはないセンスで、ヨーロッパの強みだと思う。

古い古い歴史があって、急激に発展する時期が過ぎ、成熟した文化の中で心に余裕があるからだろうか。
成長しなきゃという強迫観念がなく、自国の文化に自信があるからこそ、そういった余裕が生まれるんだと思う。

Pisaの斜塔から見た街は、家々の屋根の色がレンガ色に統一されすばらしいものだった。
高層ビルなんて一つもなかった。
古きよき時代と言っては怒られるかもしれないけれど、いい国だなと思う。

フィレンツェに行きたかった

2007年02月26日 | Weblog
今日の休日の話。
ちょっと長いけど、久々に日記。

天気予報では雨。
でも、朝は曇っている。
フィレンツェに行きたかった。

今いるのがMassaという港町。
Massaの駅からまずはPisa行きの列車に乗った。
乗ってしばらくすると、きれいな女性の車掌さんがチケットの確認に来た。
チケットを見せると、とても申し訳なさそうに、罰金を請求された。
イタリアではチケット購入後にプラットホームにある黄色のマシンで日付を入力しなければいけないそうだ。その代わりに改札がない。
罰金の理由はその日付を押していないから(知らなかったので当然だ)。
その金額がなんと50ユーロ(約8000円)!
いやいや、そんなに払えるはずないし、日付を押さなかっただけでチケットは買ってるんだし。
向こうも、僕があまりに驚いているのを見かねて、初めてのイタリアということで5ユーロで許してくれた(もともと5ユーロなのか?)。

でも、ハプニングは始まったばかりだった。

Pisa駅で、フィレンツェ行きに乗り換えた。
進行方向右側にはきれいな海が続く。
いやいや、フィレンツェは内陸にあるから海が見えるのはおかしいだろ!
と、自分につっこみを入れたのは発車してから1時間も過ぎたとき。
間違えてローマ行きに乗っていたことを知ったときのショックは大きかった。

あわてて次の駅で降りた。
そこは、シエナ駅。
聞いたことない地名だ。
駅員にどうすればいいか聞くと、2時間後にPisaへ戻る列車があるという。
がーん。2時間もか。

仕方ないので、気を取り直してシエナの駅近くを探索することにした。
Massaと同じような、そんなに大きくない町のようだ。
教会があって、広場がある。ヨーロッパって感じだなぁ。
教会の前の大通りが歩行者天国になっていて、市場ができていた。
ちょっとテンションがあがってくる。
昔の看板や使われた絵葉書など骨董品が並ぶ。
つい、Vespa(スクーター)の看板と、ふる~い絵葉書を衝動買い。

その市場の終わりがバイク(自転車)レースのゴールになっていた。
次々にレーサーが飛び込んでくる。
観客も路肩に並んで声援を送っている。
かなりの人ごみだ。
レーサーの中には老人もいて、自転車は国民的スポーツなんだと実感させられる。
少し前の東京マラソンを彷彿させる光景だ。
ここで、テンションは最高潮。

偶然だけどシエナに立ち寄れてよかった。
と気分を明るくしてPisa駅に戻った。
(後で知ったがシエナには世界一美しい広場があるそうだ。それを知って悔しい思いになった)
改めてフィレンツェ行きの列車を待ったが、時刻表の時間になっても一向にこない。
ホームでは多くの人が頭に?マークをつけて待っている。
誰に聞いても、理由を知らない。
イタリアではストで列車が止まることがあるというけどそれなんだろうか。
時刻はついに3時を過ぎた。
時間切れだ。

ああ、もう!仕方がない。
このまま帰るくらいなら、Pisaの斜塔を見てから帰ろう。
もともとはPisaの斜塔を見る予定だったのが、フィレンツェがあまりにいいというので予定を変更した経緯がある。
Pisaの斜塔にも興味はあった。

駅から斜塔まで歩いた。
地図で見るより遠かった。そのくせ、雨がひどくなってきた。
何を意地になっているのか、傘は買わなかった。
パリジェンヌは雨でも傘をささないらしい。ここはイタリアだけど。

雨のせいで人通りは少なかったけれど、駅から斜塔まではいい景色だった。
細い路地にヨーロッパ風の邸宅が並び、大きな河に面してレンガ造りの家が並ぶ。
ロマンチックでうっとりするような景色だ(女の子なら)。

Pisaの斜塔は思っていた以上に傾いていた。
ぎょっとするくらい斜めだ。
変な感じ。
200年かけて断続的に建設されたそうだ。
建設当初から傾いていたのに、よくそのまま作り続けたと思う。
それだけで驚く。

ここだけは観光客が大勢いて、日本人もたくさんいた。
斜塔に登ると、やっぱり傾いていて、おっとっととなる。
斜塔の中にいても、傾く方向で自分がどこにいるのかわかるから面白い。
塔のてっぺんからは、近くのスタジアムで行われているサッカーが見れた。
すごい歓声がここまで聞こえてくる。さすがイタリア。

久々にバックパック旅行の気分になっていた。
一人であっちへぶらぶら、こっちへふらふらする旅。
それにしても、目的地へ楽には着けないというのは昔のままだ。
だからこそ、一人じゃないと他の人に申し訳なく思って気を使うので、一人のほうがいいのかもしれない。
今回は目的地に着く事さえできなかったけど。

ああ、やっぱりフィレンツェに行きたかった。

天子の卵

2007年02月26日 | Weblog
今、イタリア。
今日は休日。
列車で遠くに出かけたけれど、そのときに読んでいたのが『天子の卵』。
それが、かなり心に残っているので、忘れないうちに。

今から約10年前の作品で作者村上由佳のデビュー作。
最近(?)映画化されたらしい。

村上春樹の『ノルウェーの森』に似ているけど、それよりもわかりやすい。
『ノルウェーの森』ほど現実からぶっ飛んだところでの話しでないだけイメージしやすく、その分がーんときた。

この作品の中には、かなり多くの「人を好きになる」要素が詰まっていると思う。
いろんな種類、形の。
僕が経験したことのあるもの、ないもの取り混ぜてあるが、う~んと唸らずにはいられない。
作者が女性で主人公が男性だから、これはちょっと違うでしょ、って思うところもあるけれど、それでもここまで胸に迫るのはなかなか。

最後の方は喉がからからになって、少し気持ちが悪くなるくらい、胸が詰まっていた。
胸が痛くなる。
読み終わると、好きな人をもっと好きになっているかも。