キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

走る考察~早く進む動的な体勢を作ること~

2010年10月07日 | Weblog
走っていて思うこと。
特に短距離と長距離を交互にやっているこの頃。
短距離にも長距離にも共通する基本的な考え方。

まずはルールから。
短距離でも長距離でもそれは同じ。
スタートの合図からゴールに着くまでの時間が短ければ短いほどいい。
つまり、体の移動が速いほどいい。

大学のころ、速い先輩に何度もそう言われたけれど、今一つピンとこなかった。
今は、少し納得する。
妙なものだ。

要は、早く進む体勢を作ること。
静的な体勢ではなくて、動的な体勢。
足が地面に接地した瞬間に大腿、股関節、腹筋、背筋、肩甲骨が連携し合った大きな動きをし、それがずらずらずらとつながり、それらがバネのように、鞭のように、しなやかな大きな力になり、増幅された力が無駄なく集中されて、さっき接地した足から地面に伝わり、反作用で体が前に進む。

「走る」ということを意識的に行ってはいけない。
速く体を前へ進ませるための動的な体勢を作り続けていたら、体が前へ進み、結果的に外から見ると走っている。
それが本来の姿だと思う。

走ることは目的ではなく、結果。
ここ大事。
目的はあくまでも前へ速く進むこと。
そのために体を最適な体勢にして、動的な動きの中で足が地面に接地するするのを待っているだけ。
接地した瞬間に最も効率よく全身を使って地面に力をお返しできる動的な体勢を作りながら。

同じことを何度も言っているようだけど、もう少しお付き合い。

走ることに慣れていない人が、速く進もうとして、走ろう、走ろうと、「走る」ことから入っていくのは危険な気がする。
「走る」ことが目的で、「走る」ことから入ると、右足と左手を同時に前に出して、腰を高くして、足を高く上げて…
そんな風に、体の部品ひとつひとつの動きを考えてしまう。
現にアメリカから輸入されて一世を風靡したマック式なる考え方はまさにこの部分最適化。
そうすると、それぞれが協調をとることなく、ばらばらに動いているだけになってしまう。
もちろん、できるやつはばらばらにならないし、練習をたくさんすればつながってくるんだろうけど。


別に右手と右足が同時に前に出たっていい(出なくてもいい)。
腰が低くてもいい(高くてもいい)。
足を上げなくてもいい(上げてもいい)。
要は、体が前へ進む動的な体勢を作って接地を待って、接地して、地面からの力を増幅して地面に戻し反作用の力をもらい、また前へ進む動的な体勢を作って…
その繰り返しの結果、もしかしたら右足と左手は同時に出るかもしれない。
腰は高くなるかもしれない。
でも、そんなことはどうでもいいことで、ただの結果。

その結果から追いかけようとすると、それぞれの部品ばかりが空回りして、前に進まない。
フォームはきれいに見えるのに、タイムはよくない人は多分これが原因。
目的と目標を取り違えている。

自分が(結果的に)走っているとき、大腿と腹筋だけで動いているような気がする。
実際に接地しているのは足の裏だけど、意識としては大腿で接地して腹筋でその力を地面に跳ね返す。
でも、今これができるのは80%の速さまで。
今はそれ以上の速さを出すと体が制御できなくてこの意識では動けない。
現役のときとの一番の違いだと思う。
話がそれたけど…
この動きがもっと広がって、背筋や肩甲骨までを全部使えたらもっと大きな力が生まれるんだろうな。

長距離シーズンが始まったけど、もっと体を意識して走ることにしよう。