タイトルにある疑問を日本社会の構造から考えた本でした。
僕自身、共働きでの子育てはもちろん、妻の留学中は一人兼業主夫で二人の子育てをしていました。
その中で感じたのは、家事をしながら小さな子供の面倒を見るのは会社員の仕事よりも大変、ということ。
それは言葉での説明では伝えられない、やってみないとわからない類の辛さでした。
会社員には会社員の大変さがもちろんあるけれど、主婦(夫)が一番辛いのは、この本にも書いてありますが、自分だけの時間が取れないこと。
そして、外の社会とつながっていない、取り残されているという不安。
この本では、子育てと仕事に関する生きにくさの理由を、日本の社会構造から解き明かしていますが、それに対する画期的な解決方法は示していません。
いくつか書かれている提言は、根本的な解決というよりは出来る人が参考にできる程度かと思います。
でもこの本を多くの男女が読むことで、一度は絶望し、しかしそこを綺麗事や建前のない皆のスタート地点としてその構造自体を考え直す、そんな風に使われたらいいなと思いました。