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写真好きの建築女子が綴る、日々のあれこれ!

矢中の杜(国登録有形文化財)

2019年08月06日 | 建物探訪
茨城県建築士会 女性委員会の仕事で、つくば市北条にある「矢中の杜」をメンバーと一緒に取材へ。
建物を建てたのは、北条出身の矢中龍次郎氏。建材の研究家であり、現在の(株)マノールの創業者です。
この旧矢中邸は、昭和13年から28年にかけて建設された近代和風建築です。


本館は居住棟で木造平屋建て。敷地の高低差を活かして、大谷石造りの地下室もあります。地下室は上部の部屋に冷たい空気を送る、換気システムも兼ねていました。外壁に塗られた山吹色は、自社の商品の天然塗料なんです。








矢中式陸屋根と命名された、本館の屋根にもビックリでした。(迎賓棟の2階から見られます)




本館の奥には、別館の迎賓棟。
1階が鉄筋コンクリート造り、2階は木造になっています。
上流階級の人々を迎賓できるようにと、内部には豪華絢爛で格式高い意匠が随所に見られます。







別館玄関ホール



1階の食堂です


色鮮やかな状態で保存されている板戸絵にも驚きます。


2階 応接間



窓の工夫にもこだわりが。矢中龍次郎氏が考案した「五層窓」
外から内に向かって、雨戸・硝子窓・カーテン・網戸・障子戸、五層構造になっている窓です。
夏は、障子戸を網戸に替えれるようになっています。




天井の照明のまわりにも、換気用スリットの工夫がありました。



建物に感心のある方なら、こちらの建物はとっても楽しめます。
但し毎週土曜日のみの見学。11時~16までの公開です!
11時、13時、15時にガイドツアーを行っていますので、解説付きで是非ご覧ください。

この北条地区には「平沢官衙遺跡」やつくばワイナリーもあるので一緒にお立ち寄りください。


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