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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

コバノミツバツツジ - エビデンス?

2022-04-27 06:00:05 | みんなの花図鑑
きょうはちょっと前に愛知県緑化センター周辺雑木林で咲いていたミツバツツジについて、です。
ミツバツツジもコバノミツバツツジも花冠はピンクというか紫紅色をしています。
区別点はどこでしょう?


コバノミツバツツジ1

「葉はミツバツツジと同様の菱形で、三枚一組になって枝先につく。ミツバツツジには種類が多いが、いづれの物よりも葉が小型であるため「コバノ(小葉の)~」と名付けられた。」(庭木図鑑 植木ペディア > コバノミツバツツジ)
しかし、葉の大小で区別できるためには2種類を同時に比べてみることができないと大小は判断できません。
花を見て、もっと端的に区別する方法はないでしょうか?




そこで登場する第1番目のエビデンスが「花冠は紫紅色で・・・上側の弁に濃色の斑点がある」という点です。




この花冠も上側の弁に斑点模様があります。これで識別できるならわかりやすい標識ですね。














コバノミツバツツジ2

道路沿いの雑木林に並木のように(コバノ)ミツバツツジがあります。




この花は花冠上部の斑点模様が薄いようです。




この株など 斑点模様がほとんどありません。
ではこの株は コバノミツバツツジではなく、ミツバツツジなのでしょうか?




いいえ、斑点模様が無くても、これはコバノミツバツツジなのです。
第2のエビデンスは 雄しべの数です。
ミツバツツジの雄しべは5本ですが、
コバノミツバツツジは 大小合わせて(本来)10本のおしべをもっています。




つまり、斑点模様が無くても、おしべが10本あれば コバノミツバツツジなのです。
実際には (脱落して)完全に10本揃っていないこともありますが、5本を超えてあればコバノミツバツツジということです。

そこで結論。 上側花弁の斑点模様の有り無しは判定基準として使えないということになります。

「花冠は紫紅色で直径約3cm。上側の弁には濃色の斑点があるが、あまり目立たないものもある。雄しべは10本で、長いものが5本、短いものが5本。時に発達が悪いものが混じり、減数する。」(植物雑学事典「コバノミツバツツジ Rhododendron reticulatum  (ツツジ科 ツツジ属)」)