アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

デンパークのツバキ・コレクション

2024-02-09 15:00:00 | みんなの花図鑑
安城デンパークのデンパーク・コレクションのツバキたちです。

ベトナムツバキ ’ハイドゥン’

ベトナムツバキ(ハイドゥン)(Camellia amplexicaulis)は、ベトナム原産のツバキ科の熱帯低木です。蝋細工のような桃色の美しい花や蕾が特徴です。ベトナムではテト(旧正月)を祝う花として知られています。(解説板より)



毎度おなじみのベトナム語の話題ですが・・・
ベトナムは漢字文化圏なので「ハイドゥン」は「海棠」のベトナム読みなのです。



そもそも ベトナムにしてからが「越南」を読んだもの。
ハノイの漢字は「河内」。
ホーチミンさんは漢字名「胡志明」です。



ところで、ツバキのメッカは東アジアの熱帯、亜熱帯地域なんですって?!
つまり、暑い時期に咲くのが自然のように見えるんですけど、
ハイドゥン(海棠)君、日本で一番寒いときに咲いてくれるのはどうしてなんでしょうね?!



ツバキの花弁と雄しべ群が落下した後の花です。ツバキの花弁と雄しべ群は合着しているので、落下するときは全部一体となってボタッと落ちます。(サザンカは花弁が分かれているのでハラハラと落ちます)





黄花ツバキ ’初黄’

「初黄」とかいて(しょこう)と読みます。



黄花と言っても花弁は白いようですが・・・



検索しますと通販サイトのカタログに
「中国の雲南省にて発見された黄金色の椿「金花茶(きんかちゃ)」と日本の白い椿「鴫立沢(しぎたつさわ)」を掛け合わせた交配種で、黄色系統では耐寒性のある椿です。」
との解説があります。





金花茶(キンカチャ)

先ほどの交配ツバキ「初黄」の片親のツバキです。
〔以下、解説板の説明を転記〕
金花茶(Camellia chrysantha)は中国南部からベトナム原産、ツバキ科の亜熱帯低木です。



花は光沢のある鮮やかな黄色で、蝋細工のような美しさが特徴で、日本へ導入されたのは1979年。
徐々に知名度は上がっているようですが、黄色のツバキはまだ珍しい花と言えます。



デンパークの株は2000年に導入された、花つきの良い系統です。


以上、デンパーク・コレクションのツバキでしたが、
もう一つ コレクションではないけれどもデンパークのツバキを。


ツバキ '金華美人'


「ツバキ '金華美人'」で検索すると、’金華美女’ を含めて(というか「美女」の検索結果だけが)表示されます。



以下、オンラインショップの説明によると・・・
【品種名】金華美女・きんかびじょ
【特徴・魅力】黒味を帯びる濃い紅色の花がとってもシックで華やか!
2012年に中国雲南省から日本に導入された椿。耐寒性もあり、雪の降る地域でも屋外で育てることができます。



〔別のサイトの説明〕
金華美女:花は黒紫紅色に紅覆輪の千重咲き、大輪。新葉が黒紫色になるとても珍しい椿です。





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アンズ園のウメなど

2024-02-08 15:00:00 | みんなの花図鑑
今日は二十四季節の立春の5日目。
あまり役に立たないローカル・ウメ開花情報です(^^♪

アンズ園(安城市)のウメ

毎年毎年、花の季節になるとアンズかウメか迷っていたのですが、去年オーナーの方にお会いし「南高梅とアンズの交配種」と教えてもらったアンズ園。



そこの、これは一本だけ植わっている背の高い梅の木です。



この梅が咲き終わるころ、アンズの交配種のほうが咲きだすのでしょう。







とある圃場(安城市)のウメ

お屋敷の梅もずいぶん咲きだしています。でもよそ様のお屋敷に入っていくのもできないので、こちらは近くの圃場の白梅です。



このあたりではよくある圃場です。圃場といってますが、水田や畑でなく樹園地の圃場です。



実は この白梅の下に 先日挙げたニホンタンポポが咲いていました。




昌光律寺(岡崎市)のしだれ梅

岡崎市伊賀町の昌光律寺のしだれ梅です。



〔岡崎の観光スポットナビ〕によりますと
三河地方浄土律院の根本となるべき道場として、宝暦13年(1763)徳巌和上が松林院を改築して昌光律寺を開設しました。
歴代学識高い住職が歴任しましたが、なかでも7代万空和上は詩文を好み、京の頼山陽とも付き合いがありました。
また画家月僊とはきわめて交わりが深く、来訪時の作品が多く保存され「月僊寺」ともいわれています。
苔むした庭園には、白カシの大木があります。




まえの山門に「不許葷酒肉入門」とありますが、
「葷」は(くん)と読み、ニンニクなどの強壮効果のある野菜のことを指すらしく、それらと酒と肉は妨げになるので門を入るべからず、という宣言らしいです。




撮った写真を整理していて 天地左右間違えて 横置きに整理してしまいそうです(↑ は間違い)。



ほんとうは こういう向きが正解 (^_-)-☆




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センダン、カエデ - 果実比べ

2024-02-07 15:00:00 | みんなの花図鑑
きょうは立春の4日目なのですが、立春前に撮った木の実を挙げていなかったので、先それを出しておきます。2種類あるのですが、いずれもチョー地味で スミマセン m(_ _)m

センダン

豊田安城自転車道の豊田市渡刈町神社付近にて。



果実は核果。長さ1.5〜2cmの楕円形。10〜12月に黄褐色に熟す。(樹に咲く花)



核は楕円形、縦に溝があり、ミカンの袋が集まっているように見える。(同上)




渡刈神社よりやや上流にて。



それぞれの袋には細長い種子があり、春の発芽期にはばらばらになって種子をだす。(同上)



果実は葉が落ちたあとも枝先に残っていることが多い。(同上)






カエデ科2種類
ここから 2か所で撮ったカエデ科の果実の画像を掲げます。
翼果ということでは同じなのですが、よく見ると翼果の形が異なります。

ひとつ目は よく見る翼果です↓

遠くて申し訳ないのですが、今のカエデ科は葉が落ちてみなこのように果実だけ枝につけています。



カエデ科の果実は種子の左右に羽根(翼)をつけているので、翼果といいます。
その翼の出方を見ると、翼が水平に左右に出ています。



近づいてみました。
翼が水平に左右に出ているので、このカエデはイロハモミジではないかと思います。




2つ目の翼果

第2の翼果の型は 家康の祖先松平家の故郷 豊田市松平郷で撮ったものです。



遠くてすみませんm(_ _)m
翼果の翼が水平ではなく 「ハ」の字型をしています。




翼が「ハ」の字型にでているので、このカエデはオオモミジではないかと思います。


〔参考〕
イロハモミジとオオモミジ - どう見分ける?






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シナマンサク - 立春3日目

2024-02-06 15:00:00 | みんなの花図鑑
きのうも触れましたが、立春というのは 二十四節気の1番目の節気のことで、
四季の春をさらに6つに分節したうちの最初の節気、つまり
毎年2月4日〜2月18日頃の期間をさすのだそうです。
というわけで、きょう2月6日は「立春3日目」になります。


もうシナマンサクが咲きだしていました。
このシナマンサクは安城市明法寺のシナマンサクで、立春前の2月1日に(蝋梅といっしょに)撮ったものです。



つぼみです。
いつも感心するのですが、リボン状の花弁がくるくると折れ曲がって入っています。



こんな風に去年の葉が枝に残っているのがシナマンサクの特徴です。




シナマンサクの花期は一般のマンサクよりいくぶん早いようです。




朝降った小雨が雫となって花弁に残っていました。





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ニホンタンポポ - 立春2日目

2024-02-05 15:00:00 | みんなの花図鑑
つい最近知ったのですが、立春というのは
二十四節気の1番目のことで、四季の春をさらに6つに分けたうちの最初の節気。 毎年2月4日〜2月18日頃の期間をさすのだそうです。


タンポポが元気よく咲いていました。



総苞片が反り返っていないので、カントウタンポポ?とか在来種のタンポポ(ニホンタンポポ)だと思います。




タンポポはキク科の中でもタンポポ亜科と呼ばれるグループを形成しています。
タンポポ亜科の花は、舌状花だけでできています。
同じキク科でもキク亜科のヒマワリのような花は、中央に筒状花の集団、周囲に大きな花弁の舌状花の集団という2タイプの花で構成されています。
同じキク科でもアザミ亜科の頭状花序は、筒状花だけの構成となっています。




たくさんの舌状花が周辺部から順に咲いてきているわけですが、よくみると花弁の内側にシベが伸び、続いて次の舌状花の花弁部が伸びそのシベが伸び・・・という循環になっているのが分かります。
花弁部分は実は5枚の花びらが合着した合弁花だと言われています。





こちらの花はひとつ前の画像よりさらに開花が進んだ状態。



上の画像をトリミングして拡大してみました。
めしべの柱頭部がつる植物のように旋回しだしています。
めしべは、雄しべが合着して筒になった雄しべ筒の中から出ているのですが、上の画像では雌しべと雄しべの境がはっきりしません。



そこで、2、3日置いて再度観察に行ってみました。
上の画像では雄しべ筒が褐色化しているので、めしべとおしべの境界がどこにあるのか分かります。






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ホトケノザ - 立春です

2024-02-04 15:00:00 | みんなの花図鑑

今では季節を問わずホトケノザの花が見られますが、いちおう立春に合わせたつもりです !(^^)!




ホトケノザの命名者はよく分かりません。
一応「東アジア、ヨーロッパ、北アフリカに広く分布している外来種」なのですが、日本に渡ってきたのもかなり古い時代のようで、そのころの命名なので 牧野博士ではないようです。




「牧野富太郎 春の七草」で検索しますと『春の七草の一であるホトケノザに就ての私の主張』という論文がでてきます。牧野博士もキク科のコオニタビラコが「ホトケノザ」と呼ばれることについて何度も注意を促しています。




さて、右上の花を見て下さい、高さの違う雄しべが2組立ち上がっているのが分かります。




斜めよここら見るとこんな風
黒い部分が花粉を入れた葯で・・・




長短2組の合計4本のおしべが左右からタッグを組んでいます。




こういうの、どこかで見ましたよね?
そう、
トレニアとか・・・
ウリクサとか・・・
ノウゼンカズラとか !(^^)!





下唇の部分には濃い赤紫色の斑紋があり、これで昆虫に美味しい蜜があるよとアピールしています。

ところで、めしべはどこに?



上下の雄しべのうち下部の雄しべの一組のうえからピコンと何やら出ています。これがめしべなのでしょうか?




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ロウバイとソシンロウバイ - もっと近くで

2024-02-03 15:00:00 | みんなの花図鑑
ソシンロウバイ

ソシンロウバイは「素心蝋梅」で、花弁の中心も花弁全体と同じ黄色のロウバイをこう呼んでいます。とうちでは散歩していて出会うロウバイのほとんどはこのソシンロウバイです。




ソシンロウバイにも黄色が濃いものと上のように薄くて上品なものとあります。




では、もともとのロウバイはどのような花なのでしょう?


ロウバイ

もともとのロウバイはこのように花の中心が赤紫色(または暗紫色)をしています。



つぼみ
近くによってシベの状態を観察してみます。
ロウバイの花はまず雌しべが活動してからおしべが起き上がって活動します(雌性先熟)。




めしべ活動期 (つぼみの次の状態です おしべは☆のかたちをして横たわっています)



めしべ活動期が終了し、横たわっていたおしべが起きだします。




起き上がったおしべが めしべを囲います(葯のスリットは外を向いています)



おしべ活動期 (葯が割れて花粉が放出されています)



(同上)おしべ活動期 (花冠の中に虫がいます。温かいのでしょうか?)






ソシンロウバイ

再びソシンロウバイです。
安城デンパークのソシンロウバイです。



めしべ活動期 (中心の糸くずのような部分が雌しべの柱頭です)



めしべ活動期




おしべ活動期(おしべ立ち上がり外に向かって葯を割り花粉を放出します)







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カンザキアヤメ - 文目紋

2024-02-02 15:00:00 | みんなの花図鑑

アヤメによく似た紋をもつ地中海の東部沿岸から西アジアが原産地のアヤメです。




漢字で「寒咲菖蒲」とか「寒咲文目」と書きます。




冬に咲くので、文字通りウィンターアイリスの英名も。











ところで、元祖アヤメ紋ってどんな模様でしたっけ? !(^^)!


アヤメ科の花おさらい

アヤメ

「あやめ」の名の由来は、花びらに網目の模様があったことから、文目(あやめ)と呼ばれるようになったといわれています。


ダッチアイリス

花弁の付け根の部分に黄色い班があります。黄色のダッチアイリスでも中央の班の色は変わりません。



ジャーマンアイリス

花弁のつけ根の近くにブラシのように毛が密生して盛り上がっています。



イチハツ

外花被片にはトサカ状の突起物が付いており、これがイチハツの大きな特徴となっています。









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2月だ!- ツバキだ!

2024-02-01 15:00:00 | みんなの花図鑑
ヤブツバキ

自宅近くの蓮華寺の境内にて。



手の届かないところにしか花がないので、コンデジの最望遠側で一杯いっぱい近づいて撮った画像です。



ヤブツバキは日本のツバキ科の代表です。学名も Camellia japonica




もう一つのツバキ科の代表サザンカの花期は(当地では)11~1月くらいの感じで、ツバキは一般に2月からと言った感じです。



葉が革質で厚いのが特徴です。葉の表面には光沢があります。




ヤブツバキ

安城デンパークのヤブツバキです。



こちらは手に届くところにも花が付いているので、一眼レフで撮影。



近づいてみます。



葯が黒くなっている部分があります。








八重のサザンカ(白)

前後しますが、遅咲きの?八重のサザンカです。



サザンカの自生北限は九州です(山口県という説もあります)。対して、先ほどのヤブツバキの自生北限は青森県の三内丸山遺跡のすぐ近くです。




ツバキ科の多くは暖かい土地に生育します。日本のサザンカやツバキはツバキ科の中では最北端の種類です。



八重のサザンカ

こちらは別のところで撮った赤の八重のサザンカです。



先ほどの白のサザンカもそうですが、正面か見るとシベがまだあるので厳密には八重ではなく半八重のサザンカですね。



中央の雄しべの近くの花弁はまだ小さく、雄しべが花弁化していく途中の状態にあります。




これなど雌しべが元気よく受粉するのを待っています。何だか 痛々しいですね・・・






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