古都・奈良の冬の伝統行事、若草山の「山焼き」が25日行われ、多くの見物客が幻想的な光景を楽しみました。
奈良市にある若草山の山焼きは、毎年1月に行われる伝統行事で、山頂の古墳に埋葬された人物の霊を鎮めるために始まったとする説など、さまざまな由来が伝えられています。
25日は午後5時半すぎ、辺りが暗くなると、ふもとの神社に春日大社からご神火をともしたたいまつが届けられ神職が山焼きの無事を祈りました。
そして家族連れやカップルなど多くの見物客がふもとから見守る中、およそ600発の花火が打ち上げられました。
このあと、ほら貝とラッパの音を合図にたいまつを手にした消防団の団員300人ほどが山の斜面の枯れ草に一斉に火を放つと、徐々に大きな炎となり山頂に向かって広がりました。
訪れた人は、冬の夜空を炎が赤く染める幻想的な光景をカメラに収めるなどして楽しんでいました。
家族で訪れた地元の12歳の男の子は「炎が激しくて、きれいでした。来年も必ず来ます」と話していました。