キッチンでカレーを調理する参加者(中京区で)
「雪溶けスープカレー」。粉チーズが雪どけを表している
若者4人 京都で6日間営業
春までに6日間だけ営業する、期間限定のスープカレー専門店が京都市役所近くにできた。看板メニューは粉チーズがかかった「雪溶(ゆきど)けスープカレー」。オープンした6日は寒さが緩んだが、数日後には寒波が到来。キャリアに悩む若者4人が三寒四温に人生を重ね、店での経験を糧に“春”へと踏み出そうとしている。
京都市役所から寺町通を北に徒歩5分ほど。青と赤の外壁が特徴のシェアキッチン「CIGOTO no BA」内にオープンし、10、17日も営業した。残り24日と来月6、10日に開く。
働くのは、転職経験が多かったり、非正規雇用だったりして自身のキャリアに悩みを抱える府内外の男性4人だ。若者の復職や就労を支援する一般社団法人ニモアルカモの京都拠点「WORK RULE SHIFT KYOTO」が、就労経験を積んでもらおうとサポートして開店した。
昨年11月から始動し、4人はどんなカレーを提供するかを考え、メニュー表の作成、原価率の計算、仕込みから営業までの準備などを進めてきた。こだわったのが看板カレーで、何度も試食して作り上げた。スパイスが少しとがった風味のスープカレーが、粉チーズが溶けることでまろやかな味わいに。メニュー名には現状打破への思いも込められている。
味付けを主に担当した右京区のアルバイト男性(28)は、過去に不登校を経験したと明かし「自分の適性を探していた。飲食に関連する仕事に就けたらと、経験を積みたいと思った」と参加した動機を説明する。原価率計算や価格設定をした奈良県の男性(32)は「嫌なことがあると逃げるクセがあった。責任も大きいが、やり遂げることで次のステップに進みたい」と意気込む。
支援した京都拠点の共同代表、木戸伸幸さん(37)は「自分の得意なことや『これなら働ける』という自信から、仕事やキャリアの可能性を広げていってほしい」と期待する。
調理や提供などは4人で手分けして行う。いずれも正午~午後3時(ラストオーダーは2時半)。