花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

新「相棒」

2013年08月06日 | 研究
チームは水質浄化研究のため4月から予備実験を4回も行ってきました。
その最初の実験で試したのが菌類の効果です。
なかでも納豆菌は有機物を分解する優れた能力があるといいます。
確かに予備実験でも納豆菌ビーズを投入した水槽では
有機物が分解されアンモニア態窒素が大幅に増加しました。
しかし水質汚染は、そもそもアンモニア態窒素が多く富栄養化になるため発生します。
つまり汚染する対象の池はすでにアンモニア態窒素が多いという想定です。
したがってチームは納豆菌でアンモニア態窒素を増やすのではなく
すぐさま分解してくれる硝化菌をサンパチェンスの相棒として採用したのです。
今となれば1ヶ月かけた納豆菌実験はまったく時間の無駄だったのです。
ところが三八城公園の人工池は有機物を分解する菌がないため
底にどろどろした泥炭がたまり景観を悪くさせていました。
そこで三八城公園では、まず納豆菌で有機物をアンモニア態窒素に分解し、
そのアンモニア態窒素を硝化菌で硝酸態窒素に変えるという
Wスーパーチャージャー方式を採用することにしました。
そこでさっそく納豆菌ビーズを製造し、その日のうちに追加投入しました!
先日まで無駄だと思われた実験が突然活きる。
実験に失敗はないといいますが、まさにその通りです。
コメント

貧栄養化

2013年08月06日 | 研究
夕方の三八城公園。照明が池を照らしています。
さて先日、三八城公園に花を設置した際、採取してきた水を分析してみました。
するとアンモニア態窒素はもちろん、亜硝酸態窒素や硝酸態窒素がほとんど含まれていません。
今まで富栄養化解消のために取り組んできたのにここではまったく逆の貧栄養状態なのです!
これはこの池に有機物を分解する微生物があまり繁殖していないことを意味します。
おそらく底がコンクリートで作られた人工池のためだからだと思われます。
またその影響で枯死した植物などが分解されず、底に泥炭のようなものが溜まっています。
水の濁度も今まで測定したどの場所よりも高く、有機物が浮遊していることがわかりました。
貧栄養化のためプランクトンもなく水自体は澄んでいるのですが、
逆に底に沈んでいる泥炭がよくわかり、景観を悪化させているようです。
しかしこの状態ではアンモニア態窒素を分解する硝化菌ビーズも
サンパチェンスも力を発揮できません。
緊急事態発生です!
コメント