花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

サクラソウの目

2014年05月15日 | 研究
多くのサクラソウはピンク色で花の中心部が白です。
この白い部分を「サクラソウの目」といいます。
世の中には色々な花がありますが
このように中心部の色が花弁と違うというのはよくあります!
花の多くは昆虫に蜜や花粉を提供するかわりに授粉してもらいます。
良くできた関係ですが、確実に自分のところに授粉者を呼ぶには
授粉者に蜜のありかを積極的に示して招かなければいけません。
この中心部の色の違いは蜜を示すサインで
ネクターガイド(蜜標)と呼ばれています。
そこでチームはハチが見ている紫外線だけを
透過するフィルターで撮影してみました。
するとどうでしょう、蜜のある場所の周辺が
紫外線を多く反射して花弁よりやや白く見えています。
サクラソウは他の植物よりは控えめですが
確かに目はネクターガイドであると思われます。
残念ながらこの撮影は曇天。今度は紫外線の強い日に挑戦したいと思います。
さて「サクラソウの目」といえば日本の保全生態学のリーダー
東京大学の鷲谷先生が書かれた人気書籍のタイトルで
チームのメンバーも読んでいます。
その鷲谷先生となんとチームは会えることになりました。
チームは今月下旬に岩手県で行われる
野生サクラソウサミットに発表者として招待されていましたが
それを知った先生がわざわざ指導助言のために参加されるというのです。
いろいろ教わりたいこともあり今から楽しみにしています。
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ブラックアイ「虫の眼レンズ」

2014年05月15日 | 研究
久しぶりに古い一眼レフを用意しました。
サクラソウを撮影するためですが、いつもと違うのがレンズ。
ご覧のとおり、真っ黒です!
とはいってもレンズが黒いのではなく、
取り付けたフィルターが真っ黒いのです。
これは紫外線だけを透過する特殊フィルターで
ある先生から借りているものです。
ハチなど昆虫は私たちと違って紫外線でものを見ています。
したがって私たちが見る世界とは色彩も模様もまったく違います。
そこでサクラソウがどのように見えるのか撮影することにしたのです。
でも単なる興味本位ではありません。
実はサクラソウのネクターガイドを見つけようとする試みなのです。
かつて前任校でこのフィルターを使い、生徒たちと様々な花をビデオ撮影し
ネクターガイドを紹介する番組を作ったことがあります。
確かこのフィルターを装備したレンズを私たちはブラックアイと呼んでいたはずです。
東京ビデオフェスティバルという国際大会に出品した作品は
優れた科学番組として羽仁進、大林宣彦両映画監督や作家の椎名誠氏に
高く評価され、当時の生徒たちと楽しく懇談した思い出があります。
そのブラックアイを久しぶりに蘇らせたのです。
当時とはレンズもカメラも題材も違います。
どうなることか楽しみです。
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