花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

Treasure Hunters

2019年04月15日 | 研究
先日、新しい環境班のメンバーが温室に集まりました。
男子4名、女子1名で今年も総勢5名。
さっそく研究テーマを決め、その準備に取り掛かりました。
なぜこんなに早くテーマが決まったのでしょうか。
これにはとても面白い理由があります。
ご存知のとおり、初めて研究をする2年生に自分でテーマを考えろといっても
経験がないので、よほどのことがないと思いつかないのが普通です。
そのため過去の先輩のテーマを参考にして考えることになります。
つまり環境班である彼らはフローラ10年の足跡をたどる作業をするわけです。
すると面白いことに、一人一研究が原則のフローラだけあって
失敗したものや中途半端で休止していたテーマが続々出てきました。
なかにはこちらも忘れていた面白い研究もたくさんあります。
そこでこれら眠っていた研究テーマにもう一度光を当てることにしたのです。
残りものには福がある。もしかしたらとんでもないお宝に化ける原石かもしれません。
そんなことで5名は研究テーマをわれ先にと奪い合っていました。
映画「インディージョーンズ」ではありませんが、まさにフローラの秘宝探し。
5名が宝探し人(トレジャーハンター)となって旅に出ることになったのです。
そこで研究班の名称も TEAM FLORA PHOTONICS TREASURE HUNTERSに決定。
偶然ながらフローラの名前もチーム名に残りました。
なにはともあれ、温室に元気な声が響くのは気持ちがいいもの。
ワクワク探検がこれから始まります。
そんな彼らのご支援よろしくお願いします。
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寒じめホウレンソウ

2019年04月15日 | 
店頭でホウレンソウが販売されています。
よくみると「ちぢみ」とか「寒じめ」と表記されています。
ホウレンソウや小松菜でよく見られる商品で
農研機構東北農業研究センター(旧東北農試)で開発された技術を用いています。
みなさんは水に塩を入れたり砂糖を溶かすと
凍る温度が下がるのを理科の実験で経験したことがあると思います。
凝固点降下、氷点降下などといわれる現象ですが
植物も寒さにあうと細胞の凍結を防ぐために糖を作って防御します。
冬越しのジャガイモ、カボチャやニンジン、
さらに春キャベツなどが甘いといわれるのはこれが理由です。
寒じめホウレンソウもこの原理を応用しています。
栽培するのはビニールハウス。
20cmぐらいに育ったらハウスのビニールを開けて
寒気に当てることで糖度を高めるのですが
その際、葉が厚く縮むことからこの名がついたようです。
歯ごたえすら感じる甘い葉はとにかく美味しいのでぜひご賞味ください。
ではどれぐらいの期間、寒気に当てるのでしょうか。
マニュアルによれば2週間以上。
これで糖度が5度ぐらいから倍の10度前後に増えることになります。
突然の環境変化にわずか2週間ぐらいで対応していると考えると
なかなかスピーディーな危機管理だと思いませんか。
さて北国では定番の寒じめ野菜ですが、全国どこでもあるのでしょうか。
もしかしたら北国だけの味覚なのかもしれません。
寒いとはいえそろそろ気温が上がってきます。
寒じめホウレンソウも次の冬までしばしお別れです。
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