花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

甘酸っぱい話

2019年04月25日 | 研究
チームフローラの遺産のひとつがこの梅。
馴化温室の脇に植えられています。
最初は鉢植えでしたが気がついたら鉢を通り越して根付いています。
実はここに2種類の梅が植えられています。
ひとつは南高梅。ご存知、日本一の品質を誇る梅です。
もうひとつは八助(はちすけ)。
南部町特産で地元では梅と呼ばれますが実際はアンズです。
八助には面白いお話が残されています。
現在の岩手県、盛岡南部八代藩主、南部利視の八男として生まれた八助(本名信居)は、
1746年に三戸左京と改名し青森県三戸郡相内村(現在の南部町)に移り住みました。
新種の果樹開発に興味を持ち日々研究に取り組んでいた左京は、
ある日、神社の境内の南部梅を交配させ年月をかけて独特なあんずを開発したといいます。
また左京の長男として生まれた三戸八助も父の姿をみて育ち研究に打ち込みますが
17歳という若さで亡くなってしまいます。
当時の婚約者であった清姫は八助を心底愛し
病床についた八助の顔を見てあんずの開発を決心しました。
清姫はあんずを若者と思い、
甘酸っぱいあんず「八助」を誕生させたというのです。
八助は梅よりも大きいので、南部町の梅漬けや梅干しはものすごく大きいので有名です。
フローラはこの梅同士を交配させようと企んだのですが、これまた中途半端で断念。
この花は南高梅。八助はまだ花芽が大きくなったばかり。
タイミングも合わないようで今年も梅の花見をするだけになりそうです。
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花見の名所

2019年04月25日 | 学校
北国は今、花見シーズンを迎えています。
昔はのんびり木の下にシートを敷いて楽しんだものですが、
最近は海外からもお客様が来るので名所はどこも大混雑。
世界に誇る弘前城の花見の観光客数はなんと250万人。
花より人を眺めに行くようなもので、行きたくないという人も多いはず。
そこで誰も行かないけれど、とんでもなくきれいな花見の名所をご紹介します。
それはお近くにある果樹園です。
ここは名久井農業高校の果樹園である第1農場ですが
麗峰名久井岳を背景にリンゴ、モモ、ナシ、サクランボなど
数え切れないほどの樹木が植えられています。
この花が咲くとそれはそれは見事なもの。
なぜならこれらの樹木は全部バラ科。つまりサクラと同じような花が咲くのです。
したがってその辺の花見会場よりもずっと見応えがあります。
また品種や樹種によって若干開花期が違うため思ったより見頃が長いのも魅力です。
さらに当然ながらお客様は誰一人いません。
開花した頃はまだ薬剤散布をしていないので安心して楽しむことができます。
かつてフローラはこの風景を観光資源として捉え
果樹園でのウェディングビジネスを企画し、
コンテストで日本一を受賞したことがあります。
果樹の開花はサクラよりちょっとだけ遅め。
ぜひ農家だけしか知らない絶景を覗いて見ませんか。
ところで画面右側に見える塔はなんだかわかりますか。
これは扇風機。お茶畑と同じように
霜が降りそうな日は空気を動かしてサクランボの霜害を防いでいます。
ゴールデンウィークに寒気が入るという天気予報もあります。
開花を控えている果樹産地では気が抜けません。
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