花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

負の遺産

2019年04月03日 | 研究
馴化温室周辺を歩くと昨年までいたフローラの気配がまだ強く残っています。
それ自体は悪いことではありませんが、まずいものを発見しました。
チームが本拠地にしていた温室脇においた2本の梅の苗が
すっかり根づいているのです。
というかもう木になっていて抜くこともできません。
これは今から数年前のフローラの先輩が
南部町の特産である「八助」という大きな梅(正しくは杏)と
日本一の梅といわれる紀州の「南高梅」を掛け合わせようと植えたもの。
なぜなら南高梅は和歌山県の南部町(みなべ)にある
南部高校の課題研究で誕生した品種。
学校名が品種名になっているだけではなく、
それが日本一の品種として広く知られているとは羨ましい限りです。
そこで漢字で書くと同じ南部町同士の梅を掛け合わせて
「名農梅」を作ろうと企てた先輩が、この苗を揃えたのです。
ところが幼い苗は花も少なく実もなりません。
やっと大きくなった頃にはもう卒業していませんでした。
担当者がいない梅が放置されて数年、
いつしか根づいてしまったというわけです。
施設の邪魔になるので切り倒されるのは時間の問題。
いわばフローラの負の遺産。
まずいものに気がつきました。


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大人の事情

2019年04月03日 | 
またまたスーパーマーケットで面白いものを発見しました。
よく似た柑橘ですが左は「しらぬひ(不知火)」、
右は「デコポン」と表記されています。
実は正式な品種名をいえばどちらも不知火。まったく同じ柑橘なのです。
でも名前が違うのはどうしてでしょう。
調べてみるとデコポンと名乗るにはいくつか条件があるようです。
ひとつは農協から出荷すること。
デコポンは熊本県果実農業協同組合連合会の登録商標です。
したがって全国どこで生産しても良いのですが
JAを通して出荷しないとデコポンの名は使えないことになっています。
もうひとつはJAの不知火の中でも糖度13以上など
品質の良いものじゃないとデコポンの名は使えないことです。
つまりデコポンは農協が出荷する高品質の不知火のブランド名ということになります。
しかし中にはJAを通さずに産直される不知火もあります。
こちらは正式にはデコポンと表記できませんが
当然ながら高品質のものもたくさん出荷されています。
どうやら大人の事情で名前を使い分けているようです。
とはいってもそもそも不知火はオレンジのような美味しい品種。
どちらも人気なのは間違いないようです。
さて日本の果物の生産量1位は温州みかん、2位はりんご。
りんごはこの50年ぐらい生産量は変わりませんが
温州みかんは50年前の3分の1以下まで減少し、
ほぼりんごと変わらなくなりました。
このままでは生産量が逆転するかもしれません。
この激減にはどんな理由があるのでしょうか。不思議です。
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