花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

バラを支えるアジアの血

2020年06月27日 | 学校
このバラはアンジェラというバラです。
1984年にドイツのメーカーが育種した品種です。
圧倒的な花数が特徴で、今もなお世界中で人気となっています。
このバラはクライミングローズに分類されます。
つまりツルバラ。よくアーチに絡ませて
バラの門を作ることがありますが、
まさにアンジェラはアーチに最適だといわれてます。
バラは歴史が古いので別の分類もできます。
その分類法からいえばこのアンジェラはフロリバンダローズに分類されます。
フロリバンダとは花束の意味で、
四季咲き大輪のハイブリットティーローズと
花つきと耐寒性の強いポリアンサローズという
2つの系統を掛け合わせてできた系統です。
またポリアンサローズ系統は四季咲きの中国のチャイナローズと
ツル性や房咲き性の日本のノイバラの血統が入っています。
アンジェラがツル性だったり、たくさんの花を房のように咲かせるのは
ドイツ生まれですが、アジアのバラの特性によるものなのです。
さて現在、梅雨に入っている青森県。
昨日はヤマセが吹き最高気温は17度しかありませんでした。
おそらくストーブをつけた人もいるはずです。
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世界史の最重要ポイント

2020年06月27日 | 学校
こちらのバラはデンティベスと呼ばれる品種です。
1925年にイギリスで育成されハイブリットティーローズ系統に分類されます。
デンティベスの魅力はなんといっても一重咲きの美しさ。
バラといえば優雅で派手な八重咲きというイメージがありますが
この花をみると一重咲きもいいものだと感じます。
さてまたバラの分類です。ハイブリットティーローズは
四季咲き大輪咲きの特性を持っていますが、
この系統が誕生したのは1867年のフランス。
長年、理想のバラを求めていろいろ育種を繰り返した結果
四季咲き大輪という特性を持ったバラが誕生したのです。
そのバラの名は「ラ・フランス」。
バラの世界ではとんでもないビッグニュースで現在のバラのほとんどが
この血を引くハイブリットティーローズに分類されています。
そこで新しい分類法が誕生します。
それは、ラ・フランス以前に育種されたバラを「オールドローズ」、
以降に育種されたものを「モダンローズ」と呼ぶ分類法です。
もしバラの世界史問題があったら最も大切なポイントとなるはずです。
このように年号や育成地、その裏話など歴史の教科書を作れるくらい
細かく記録されているのを見ると、バラは単なる花ではないことがわかります。
皆さんは、そんな歴史に残るラ・フランスを見たことがありますか。
いかにもバラという優雅な姿です。今も苗が手に入るので、
ぜひ歴史のターニングポイントとなった品種を育ててみてください。
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