花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

One for all. All for one.

2021年12月07日 | 研究
秋になってさまざまな研究が実を結び始めているフローラハンターズ。
先月下旬、新聞社から取材依頼が届きました。
フローラの流儀のひとつに「一人一研究」というものがあります。
一人で責任もって取り組んでもらうためのルールですが
誰かが成功したら全員で便乗するという真逆の裏ルールもあります。
なぜなら一人一研究とはいいますが、実験装置を組み立てたり
たくさんのサンプルを分析するにはみんなの協力が必要です。
助け合わなければ研究を進められないフローラは、
手柄もみんなで分けるという海賊のようなかなり野蛮な掟もあるのです。
この日、取材対象となった研究の主任は中央の女子メンバー。
それを取り囲んでいるのがサポートしてきた他のメンバーです。
しっかりみんなで写真に収まるあたりに、たくましさを感じます。
6人は春から競うように研究をしています。
もちろん自分こそが最高賞を取るんだと思って活動しているのですが
このルールがあるお陰で、他の誰かが最高賞を受賞しても結果は同じ。
6名のメンバーがそれぞれ宝くじを持っていますが
もし誰かが当たったら山分けなのです。
一人はみんなのために、みんなは一人のために。
面白いことにフローラは日替わりヒーロー。
次は誰にスポットライトが当たるのでしょう。
今日は11日ぶりの課題研究です。
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つわものどもが夢の跡

2021年12月07日 | 生物生産科
ここは第1農場に入ってすぐ左側の空き地です。
久しぶりに足を運んでびっくり。
ここにたくさん並んでいたはずの百葉箱がありません。
長い間使われなかったので、朽ちてしまったのでしょうか。
今から20年ぐらい前の名農を知っている人にとっては
枯れ草に覆われたこの殺伐とした風景は相当ショックだと思います。
ここはかつて名農気象班の本拠地だったところ。
百葉箱がいくつか設置され、気温、湿度、地温はもちろん
日射量や降水量などが名農生と職員の手によって
365日測定されていました。そして奥に見える第1農場の管理室で
毎日、測定データの記録と分析が行われていました。
測定に用いる機器はすべて検定を通ったもの。
したがってここで観測されたデータは正式発表できる高精度なもので、
近隣の市町村はもちろん、試験場までも
八戸の気象台ではなく名農気象班のデータを活用していました。
日本で最も権威のあるといわれる日本学生科学賞で日本一を2回。
皇居で天皇陛下から授与されています。農業クラブの全国大会でも
最優秀賞を受賞。まさに自他とも認める名農の最高研究集団でした。
農業の近代化により気象データの活用が重要視され
その最先端を歩んでいた気象班ですが、
アメダスのネットワークが配備されたことで、10年ほど前に役目を終えました。
そんなかつての誇らしい姿を知っているからこそ
この風景にはなんともいえない寂しさを感じてしまいます。
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