花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

トマト三兄弟

2021年12月27日 | 研究
冬休みの名久井農業高校。
寒波の影響もあり雪と氷の世界です。
そんな名農農場の馴化温室でまだ頑張っているのがこのトマト。
フローラハンターズのある男子メンバーが育てています。
彼は4株育てていますが、1株は加温された室内で栽培中。
したがって、この温室では残りの3株を見ることができます。
元気そうに見えますが、実はこの温室の暖房は壊れていて動きません。
つまり屋根と壁こそありますが、ほぼ屋外。
そんな寒い部屋でトマト三兄弟が育っているのです。
トマトの生育適温は25〜30℃。
したがって加温された室内で栽培されているものよりも
成長がゆっくり。寒さで震えあがっているはずです。
草丈に違いがありますが、これは最初から。
右は大きいのですが早く播種された苗だけらです。
ここで注目したいのは葉。
左端のトマトは色黒で葉も小さいのですが
右の二つはどちらも葉が大きくきれいな緑の葉なのです。
さらに左以外は蕾もあります。いったいどうしてなのでしょう。
理由は次の写真を見ると一目瞭然です。

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あったかいんだから

2021年12月27日 | 研究
先ほどのトマトの生育差の原因を種明かしをします。
これは先日ご紹介したサーモグラフィーで撮影したもの。
真ん中と右のトマトの鉢の中央が赤や白に写っています。
もちろんこれは温度が高いという証拠。
実はこの2つの水耕鉢の中にはヒーターが入っていて
右が18℃、真ん中が確か22℃に加温されているのです。
サーモスタッドで管理されていますが、
おそらく放熱されているので実際は5℃ぐらい低い水温だと思います。
水温はデータロガーで記録されているので、
何℃ぐらいで推移しているのかは後日わかるはずです。
それにしても首から上は同じ冷たい外気に触れているのに
露天風呂のように根が温かだと、なんとか育っているから驚きです。
しかし植物体の温度は、写真からもわかるように
どの株も7℃ぐらいと変化がありません。撮影したのが暖かな日だったため
養液が植物体を温めているところまでは確認できませんでした。
2年前、先代のトレジャーハンターズがホウレンソウで同じ実験を行ったところ、
無加温の区より葉が温かくなっているのを突き止めました。
ホウレンソウはトマトと違い葉が薄く草丈が低いこと、
観察した1月は外気温が氷点下と養液との差が大きかったことなどが
理由として考えられます。現在、フローラハンターズはトマトの他に
ホウレンソウも用いて再実験しています。
最低気温は氷点下。そろそろ目撃できるかもしれません。
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