花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

顔色が悪い

2021年12月08日 | 研究
これはフローラハンターズが無茶を承知で栽培しているトマトです。
11月上旬から水耕栽培を行っていますが、
ご覧のとおり、左のトマトの葉色が濃くなってきました。
いったいどうしたのでしょう。
調べてみるとトマトは低温にあたると、ポリフェノールである
アントシアニンが合成されます。
さらにひどい時は葉や茎が紫色になるというから驚きです。
栽培は温室ですが無加温。どうやらこの顔色の悪いトマトは
低温障害を起こしかけているのかもしれません。
しかし右側のトマトは至って健全。きれいな緑です。
こちらも同じ場所で栽培していますが、20℃の露天風呂に入っています。
とはいっても温水に浸かっているのは根だけ。
体は冷気にさらされています。大丈夫でしょうか。
よく半身浴という入浴法が健康によいと紹介されます。
半身浴とは「みぞおち」ぐらいまでをぬるめにお湯に長く浸かるもので
しばらくすると、ぬるくても体がほかほかしてくるので
血行をよくするなどいろいろ効能があるといわれています。
最初に取り組んだトレジャーハンターズは
根から暖かな養液を吸収した野菜は、
冷気の中でも茎葉が暖まっているとサーモグラフィー観察で報告しています。
まさに半身浴と同じ効果。何だか不思議なものを目撃しています。
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ものすごいやつ

2021年12月08日 | 
この深紅色のリンゴは「千雪」(ちゆき)といいます。
2008年に品種登録された青森県生まれで、あまり大きくありません。
特徴は肌にある星のような斑点。正式には「果点」(かてん)といいます。
果点は幼果の時に生えてた毛や気孔が変化したものらしく
品種によって大きさや密度が異なるため、見分ける目安にもなっています。
千雪という名も果点がまるで雪が降っているように見えるから名付けられました。
またモモやナシにもあるとのこと。ナシは分かりますが
モモのイメージがわきません。夏になったら確認したいと思います。
さてこの千雪、食べてみると酸味はほぼなく、甘さだけを感じます。
個人的には酸味がないので、ちょっと首を傾げてしまう味ですが
調べてみて納得。そもそも加工用として誕生したようです。
でも馬鹿にしてはいけません。なんと、その優れた加工特性から
この千雪は世界的に有名な科学雑誌「nature」で紹介されています。
その特性とは皮を向いても褐変しないこと。赤くならないのです。
これはジュースなどに加工する際にとても便利です。
現在、千雪のゲノム分析から褐変に関する遺伝子を探っているということですから
青森県の試験場もなかなかやるもんです。
冬の青森はリンゴでいっぱい。
食べたことのない品種を探すのは面白いものです。
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