花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

アカジソ

2019年09月28日 | 
サルビアの花ではありません。アカジソの葉です。
とはいってもどちらも同じシソ科なので似たような花です。
アオジソやチリメンジソなど何種類かシソには種類がありますが
一般的なのはアカジソとなるようです。
シソの使い道は梅干しなどさまざまありますが
この南部町にはシソジュースなるものもあります。
シソの実の漬物なんというのも美味しいものです。
町の産直センターに行くと売っていることもあるので
近くに来たらぜひのぞいて見てください。
アントシアニンたっぷりで人気です。
さて世の中ではアオジソの仲間が話題となっています。
名前は「エゴマ」。こちらの方言では「ジュネ」といいます。
でも10年も長生きするということから
「ジュウネン」というのが本当のようです。
ちょっとお高いですが、エゴマ油は健康ブームで全国で人気です。
しかしこの地域では味噌をあえた「ジュネ味噌」が定番。
ソバの串餅に塗って焼いて食べると
それは香ばしくでとても美味しいものです。
このところぐんと気温が下がってきたので
なんだかあったかなお餅でも食べたくなりました。
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夏と秋が同居する季節

2019年09月27日 | 学校
ピンク色のコスモスが咲いています。
コスモスは漢字で秋桜と書くように秋の季語です。
秋分となりまさに秋真っ只中という感じです。
しかし右側に黄色い花が見えます。
これはマツヨイグサ。こちらの花は夏の季語です。
行く夏の後ろ姿ともいえるかもしれません。
皆さんは「春は口元、秋は目元」という言葉を知っていますか。
これは化粧品業界を表す言葉で
春に口紅、秋にはアイシャドウの新作が出ることからこういわれます。
パッと華やかな春、しっとりと落ち着いた秋。
こんなイメージをもとにした戦略なのだと思います。
さて口紅はもちろん、紅というくらいですから赤色ですが
英語ではレッド、スカーレット、クリムゾン、バーミリオン、
日本語でも紅、えんじ、緋色、朱色など
同じ赤にもいろいろな種類があります。
みんな微妙な差で、素人には比べないと違いがわかりません。
このコスモスの赤だって本当はもっと素敵な言い方があるはずです。
もちろん青だって緑だってみんなたくさんの色の名があります。
ちょっと勉強してその違いがわかると、生活が豊かになり
自然を見る楽しさが何倍にも増えるかもしれません。
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第一発見者

2019年09月27日 | 学校
ハンターズの温室では今、
こんなきれいな光景を目にすることができます。
この植物はクワイ。この地域ではあまり食べませんが
関西ではお正月には欠かせない食材です。
ハンターズはこのクワイに人工光を照射して
可食部を肥大させようと企んでいます。
なぜならクワイは塊茎。
フローラは10年も植物に光を当て続けてきたので
青色光は茎を肥大させることを知っています。
可食部は地下だけどもしかしたら地上で受けた光に
反応するかもしれない。そんな好奇心で実験が続けられています。
数年前、1年生のフローラJr.が
一度挑戦したことがありますが栽培に失敗。
光を照射する前に断念してしまいました。
今までクワイを水耕栽培しようとした人は誰もいません。
成功にしろ失敗にしろ、結果を確かめたい。
ハンターズが第一発見者となれるよう
女神フローラに祈りたいと思います。
収穫まであと1ケ月、もう少しの辛抱です。
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ピタゴラスイッチ

2019年09月26日 | 環境システム科
環境システム科のビニールハウス。
今年はサツマイモの他に、トウモロコシも栽培しています。
先日、担当している先生から面白い受粉の仮説を伺いました。
トウモロコシはご存知の通り、雌雄異花。
1つの株に雄花と雌花が別々にあります。
茎のてっぺんにあるのが雄花。花粉を周囲に撒き散らします。
茎の下方にあるのが雌花。
絹糸(けんし)と呼ばれる雌しべで花粉を受け止めます。
しかし雄花と雌花の距離は1mぐらいもあるうえ
その間にたくさんの大きな葉が重なり合って出ているため
そう簡単に花粉は雌花に届きません。
でも面白いことに気づいたそうです。
てっぺんで噴出した花粉はすぐ下の葉に大量に落ちますが
その葉は立ち上がった形、つまり鋭角に茎についているので
その花粉は葉の根元に滑り落ちます。
しかし葉の根元は茎に一部しか密着していないので
そこからさらに下の葉にこぼれ落ちてしまいます。
それを3回ほど繰り返すと、なんと待っているのは雌花。
まるでNHKの子供番組「ピタゴラスイッチ」で出てくる
玉転がしというゲームによく似た仕組みだというのです。
観察していると確かに雌花の上の葉は、みんな花粉まみれです。
そんなシステムになっていてもおかしくありません。
ところが間違いが一つあります。
同じ株についている雌花と雄花は熟す時期が違うのです。
これは自家受粉を避けるためのトウモロコシの知恵。
したがってもっぱら時期がずれて出た別の株の花粉を受粉に利用します。
つまり自分のてっぺんの花粉を下まで運んでも受粉できないのです。
しかし他の花粉を大きな葉で受け止め
それを下にある雌花に運ぶには効果があるかもしれません。
もし葉の付け根をガムテープで茎に密着させたらどうなるでしょう。
もし結実に違いが現れたらこの説も一理あるかもしれません。
観察から生まれた面白い仮説。来年やってみましょうか。
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バラの季節

2019年09月26日 | 学校
ノックアウトという名のバラが咲いています。
昔から秋のバラがもっとも色鮮やかで美しいといわれますが確かにそうかもしれません。
さて一般にバラは初夏に咲く一季咲きというイメージがありますが
秋に咲くバラは四季咲きという特性を持っています。
バラは現在、数万種類もの品種がありますが、
それはすべて100種類ほどの原種の交配から生まれました。
原種は世界各地にあり、ロサ・ムルティフロラ(Rosa multiflora)和名ノイバラや
ロサ・ルゴサ(Rosa rugosa)和名ハマナスは日本生まれの原種です。
しかしその多くが一季咲きです。
ところが中国にロサ・キネンサス(Rosa chinensis)という原種があります。
通称コウシンバラ(庚申薔薇)と呼ばれる赤い花を咲かせるバラですが
このバラは四季咲きという特性を持っています。
そこでこのバラがヨーロッパに持ち込まれ
さまざまな原種と交配され、現在の四季咲き性のバラが誕生しています。
原種には黄色のバラの元になったもの、
ある香りの元になったものなどいろいろあります。
Speciesと呼ばれる原種を集めて鑑賞するマニアが多いのも
わかるような気がします。
バラの美しい季節になりました。
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