花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ひっそり

2020年05月24日 | 学校
名久井農業高校は現在、生物生産科、園芸科学科、環境システム科の3学科があり
植物を教材にしながら農業の学習をしています。
しかしその昔、名農には畜産科という動物を扱う学科がありました。
飼育していたのは家畜は乳牛、肉牛、豚、鶏。
植物とは違い、ダイナミックな実習はこれぞ畜産という存在感を放っていました。
しかしもう10数年以上も前になるでしょうか、時代の流れもあって畜産科は閉科。
そのため名物だったオリジナルベーコンや牛乳などの加工品は姿を消してしまいました。
特にどこのスーパーマーケットにも出回らない
バターが蓋につくほど濃厚な瓶牛乳は人気でした。
でも最も閉科でがっかりされたのは、地元の保育園かもしれません。
動物園がないこの地域にとって犬やネコ以外の大動物を見ることができるのは名農だけ。
したがってよく子供たちが畜舎に来てはスケッチや観察などをしていたものです。
豚舎や鶏舎はすでに取り壊されましたが
現在の名農には当時の畜産科関連の牛舎や畜産加工室などの建物がまだ残っています。
しかし意外と皆さん忘れているのがこの獣魂碑。
校舎の裏手にひっそりと建っています。
これは加工実習や実験のために亡くなった家畜の霊を慰めるもので
毎年、職員が集まり手を合わせています。
「いただきます」の意味を実感できる名農の貴重な遺構。
機会があったら、在校生にもぜひじっくり紹介したいものです。
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イチゴの季節

2020年05月24日 | 環境システム科
環境システム科の水耕栽培温室。
ここにはイチゴ専用の栽培装置があります。
プラスチックの筒を立てて組み立てたもので
筒の中をポンプで送った養液が流れており
ご覧のようにすでに赤い実をつけ始めています。
先日、これとは別に野菜用水耕栽培がスタートするので
その前に生徒や先生方が養液の調整をしていました。
伺ってみると畑などと比べ物にならないほどの高濃度です。
これが水耕栽培野菜の成長が早い理由ですが
問題になっているのが廃液処理。
特に営利栽培をしている大きな植物工場では
水質汚染につながるから困っているそうです。
一般には微生物を活用した浄化装置を通して処理するようですが
光触媒を用いて浄化する技術も普及し始めました。
また廃液を出さないクローズドタイプの循環システムも研究されているようですが
まだ一般的ではないようです。便利になるとその陰で必ず発生する新たな課題。
こんな廃液処理も環境システム科で取り組むべき研究課題なのです。
それはさておき、いよいよイチゴの季節となりました。
初物はいったいどなたの口に入るのでしょうか。

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2度目の春

2020年05月23日 | 環境システム科
ここは環境システム科のビニールハウス。
農工融合というキャッチフレーズのため
溶接などができる工業棟や水耕栽培温室ばかり注目されますが
農業の基本である土耕を学べる圃場とハウスも持っています。
環境システム科では2年生になると主に工業系を学ぶ生産システム類型と
作物や草花の生産やビジネスを学ぶ園芸ビジネス類型のどちらかを選択しますが
このハウスは園芸ビジネス類型のメンバーが学習する場所です。
先日、ハウスの中に消石灰が散布されました。
酸性に偏った土壌を中性にするもので、農作業スタートの合図でもあります。
外はもう初夏ですが、ハウスではいよいよ春を迎えたようです。
今から春?と思う方もいると思いますが、まんざら嘘でもありません。
なぜなら本日5月23日は、旧暦の閏4月1日。
実は今年、旧暦では1年13ケ月の年で、4月が2回繰り返されるのです。
つまり今年は4月が60日もあるんですね。
昨日は旧暦の4月30日、やっと4月が終わったと思ったら、また今日から閏4月。
またまた春スタートという訳です。
旧暦を使っていた先人は、そう簡単に今年は暑くならないことを
すでに暦からわかっていたことになります。
さすがは農暦とも呼ばれる旧暦です。
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必修クラブ

2020年05月23日 | 学校
見えているのは名農が誇るアーチェリーレンジ。
修理はされているものの、何十年も前から同じ場所に建っています。
その昔、学校には「必修クラブ」というものがあったのを覚えていますか。
この時間だけは全校生徒?がスポーツや文化関係など
好きな活動に取り組んでいたものです。
教員になったばかりの頃、必修クラブでアーチェリーを担当していました。
打ち方の基本を教えるのですが、それと並行して行なっていたのが的作り。
予算がないので紙にペンで自作の的を作るのです。
もちろんきれいな円でなく、いびつです。
中には動物だったりメガネのような奇妙な形をしたものもありました。
それを的にして毎週コンペ。
プロフェッショナルの部活動と違い、みんなで楽しんだものです。
このアーチェリーレンジは、当時とほぼ変わらない姿で
今もなお名農アーチャーの活動を支えています。
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性格判断

2020年05月22日 | 環境システム科
このところ寒い日とあたたかい日が交互にやってきます。
これはある日のあたたかな日の実習風景。
みんないったい何をしているのでしょう。
実は先日、一人2つ貸したプランターに
カブの種子を播いているのです。
ほんの数ミリの溝を作り、そこに種子を筋まきするだけですが
面白いことに作業をさせるとその人の性格がよく分かります。
ゆっくり丁寧に行う人、見た目以上に雑な人。
雑ではないのですがあっという間に終える要領のいい人。
おしゃべりが大好きでついつい手が動かなくなる人などさまざま。
彼らは来年就職試験ですが、会社の人事担当の方がこれを見たら
誰が一番、会社の業務に向いているのかすぐわかるかもしれません。
発芽するのはおよそ1週間後。
みんなカブを育てるのは初めてらしく
果たしてうまく収穫できるか今から楽しみです。

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