花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

HEXAR

2020年05月27日 | 研究
10年前に始まったフローラの活動は最初からデジタルカメラで記録しましたが、
その前はアナログのフィルム時代。先日、倉庫から
フローラ結成の少し前に前任校で使っていた古い35mmカメラが出てきました。
農業高校で授業と同じぐらい大切なのが写真での活動記録。
生徒の研究活動を記録するため平均1日1本、フィルムを使っていた頃のものです。
これは1992年にデビューしたコニカヘキサーというコンパクトフィルムカメラ。
光学メーカーであるコニカがこのカメラに搭載したヘキサーレンズは
当時では珍しいF2の明るいレンズ。したがってボケがきれいで、
さらに抜群のキレと発色で楽しく撮影していたものです。
しかしこの後、時代はデジタルに急激に移行していきます。
そんな移行期のカメラなのでピントはオートフォーカス。
アナログ式のダイヤルもついているのですが、表示は液晶。
これから始まるデジタル時代を期待させるようなアナログカメラでした。
しかし2003年にコニカは、ロッコールレンズで有名なミノルタと経営統合。
そして2006年にコニカミノルタは、なんとカメラ事業から撤退してしまいました。
そんなこともありこのコニカヘキサーは銀塩時代最後の銘機と呼ばれています。
でもコニカとミノルタのお話はこれで終わりません。
この優れた技術は嬉しいことにその後、SONYに引き継がれたのです。
現在、SONYのデジタルカメラは高く評価されています。
そこには多くのファンを魅了したヘキサーとロッコーレンズの技術が生きているのです。
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お疲れ様

2020年05月26日 | 研究
ハンターズが放課後集まって研究活動をしています。
この日は短縮授業だったため、
どうしても時間内に実験が終わらなかったからです。
みんなの協力で実験も終わり、後片付けをしているところですが
右側の机上に飲み物が見えます。
なぜなら5月中旬ともなれば日中の気温は高く
温室の中は30度近く上がります。
Tシャツを着て活動しているとはいえ過酷な環境。
そこで終わったら水分補給をするのです。
幸い馴化温室のすぐそばに名農の自動販売機があるのでとても便利。
この日も温室のイスにみんなで座って一息つきました。
部活動ではなく単なる授業でできたグループなのに
授業の枠を超えて取り組んでいる環境班にあらためて驚きます。
このようにフローラ時代からの伝統が今も継承されています。
さて同じ釜の飯を食ううちにグループがチームに育っていくといいます。
そういえば今年はコロナもあって、みんなで食べる機会がありません。
もしおさまったらお疲れさん会でも開きたいものです。
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ふるさとの夢を見る

2020年05月26日 | 学校
馴化温室脇の大鉢で育てているブルーベリー。
今、白い花が満開です。
初夏になると甘酸っぱい実がなるので
毎年、フローラ時代から頂戴していました。
昨年は猛暑と雨不足で数鉢枯れてショックを受けましたが
春になると枯死したはずの鉢からも葉が出てきました。
いつもながらブルーベリーのたくましさに驚きます。
さてブルーベリーといえば酸性土壌。
pH4〜5ぐらいのかなり酸性化した土を好みます。
私たちの周辺で酸性土壌といえば、空き地や山の土ですが
落ち葉で作る腐葉土でもpH6ぐらいの弱酸性です。
ところがブルーベリーのふるさとである北アメリカやヨーロッパに自生する
針葉樹の枯れ葉は広葉樹よりもpHが低いといいます。
誰だって生まれ育った環境は居心地良いもの。
どうやらブルーベリーが酸性土を好むのは故郷の環境に起因しているようです。
ではなぜこんなところに育つようになったのでしょうか。
このような荒野には、一般の植物はなかなか進出できません。
おそらくブルーベリーやリンゴンベリーなどは、
あえてライバルが少ない厳しい環境に適応し、
生き延びてきたと考えられています。
これから厳しい初夏となります。
朝夕の気温は高くない北国青森といえども
北欧に比べると寝苦しいはず。
せめてもと酸性土に調整された鉢の中で
ブルーベリーはふるさとの夢を見ます。
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どんな未来が

2020年05月25日 | 研究
馴化温室に集っているハンターズ。
この日は来週行う実験の準備を全員でしましたが
暑かったので、みんな半袖を着ています。
春先はどこの学校でもいろいろな行事が集中するもの。
したがって、時間がなく放課後まで活動することも少なくありません。
来週やればいいんじゃないのという人もいるかと思いますが
相手は命のある生き物。適期を逃すわけにはいきません。
彼らだって部活動があるのですが、それでも困ったときはお互い様。
みんな協力して取り組んでくれます。
彼らに頭が下がるのには、理由があります。
今までのフローラやバブルボーイズのメンバーは
数ある課題研究班の中から、この環境班を自ら選択しました。
大活躍している影にはとんでもない努力があることを承知のうえでの志願です。
ところがハンターズは誰一人として自ら志願した人はいません。
なぜなら彼らが研究班を選択した2019年3月時点ではフローラは解散予定。
そんなわけで研究班の選択肢に環境班はなかったのです。
ところが突然の環境班の延命処置。
そのため彼らは急遽、担任の先生によって無理やり?集められたメンバーなのです。
希望もしていない研究班に送り込まれた5名。
びっくりするほど口数の少ない彼らは、いったいどんな気持ちで活動しているのでしょうか。
だからこそ黙々と取り組んでいる姿をみると頭が下がるのです。
我々を導いてくれる女神フローラは、
いったい彼らにどんな未来を用意しているのでしょうか。
卒業までもう10ケ月を切りました。
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焦るぜ

2020年05月25日 | 学校
ここもかつての畜産科の建物。牛舎です。
今は肉牛や乳牛の姿はなく、倉庫になっています。
しかし畜産科が閉科になったその後も、しばらく肉牛は飼育されていました。
おそらく、閉科になっても科目「畜産」の授業があったり
飼育していたのが仔牛で、出荷にはまだ早すぎたためだと思います。
そのためしばらく飼育することになったのですが
畜産科の生徒がいなくなったため、管理をするのは先生方の役目となりました。
当番で土日に出校しては、たった一人で牛への給餌と清掃をしていましたが
多くの先生は植物の栽培体験も大動物の飼育経験はありません。
そのため慣れないとおっかなびっくり。
自分より何倍も大きい何百kgもの牛を前に腰が引けてしまうのです。
しかし牛だってそんなこちらの様子を見て落ち着かないのか、いうことをききません。
時間になると繋がれているスタンチョンをはずし、屋外に出すのですが
時間になっても帰ってきてくれません。呼んでも知らんぷりです。
管理当番は自分一人だけ。これには焦ります。
どうにもならんと困っていたら突然、ぞろぞろと御一行様のお帰り。
完全に主導権は牛が握っていました。
冷や汗ものの管理。またこんな記憶もあります。
飼育されていた肉牛が徐々に出荷され、とうとう最後の一頭が出荷されました。
しばらくたって知ったのですが、最後の黒毛の品質はA5ランク。
最高品質だったそうです。もう飼育管理をしなくても良いという喜びはありますが
完全に畜産科の存在が消えた妙な寂しさもあり、
心からA5ランクを祝えない、なんだか複雑な心境だったのを覚えています。
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