昨夜、スーパーで半額になっていたので恵方巻を買って食べた。それでも多く余っていたから廃棄が出るだろう。恵方巻は長持ちせず、廃棄が社会問題になっている。仕掛けている側の理屈は廃棄ロスより機会ロスが大きいということである。そういうことなれば、廃棄ロスを極大化させて機会ロスを上回らせて経済的に見合わなくさせることが考えられないだろうか。廃棄物処理制度において特定企業規模以上の小売店での食品廃棄に数千万とか費用を課すようにしたらどうか。そんなことを思った昼下がり。
春闘の賃上げのニュースで国際競争の観点から簡単には上げられないとの現場のインタビューが出ていた。これを見て、競争といっても人材獲得競争の圧力が低いということなのかなと感じた。外部労働市場活性化については、解雇規制緩和がよく主張される。しかし、これで内部のミスマッチを解消して橋渡しがされればいいものの、メンバーシップ雇用の下他で通用するキャリア形成がされていなかったり、求められる労働者像がそこまで多様でなかったりする中では、大勢の人が放り出されっぱなしになる危険があるように思う。放り出された人たちが何とか自助努力で模索するうちに解消していくという発想は、法曹養成の分野で正に失敗と言われているところである。そこで思ったのは労働者側にとってポジティブな移動である引抜きを活性化することだ。例えば、金銭的に換算された労働条件が1.5倍以上であれば、不正競争防止や種々の契約上の引抜きの制約を免れたり緩められたりするといった感じである。個別の経営上の利益より労働条件の向上が政策的重要性を上回るという価値判断になる。プロ野球のジャイアンツがかつて他チームのエースを高額報酬で引き抜いて弱体化させるといった戦略をとっていたように、人材獲得競争の圧力が高まる。そうすると、中核労働者を始めとして労働条件を上げることが正に競争のために必要になる。金銭的に換算する式で長期雇用保障がある場合のポイント率を上げたり状況に合わせてさじ加減をすることで、柔軟に対応もできるのではないか。個々の労働者も1.5倍転職を重ねることを目標にキャリアアップのモチベーションも上がるかもしれない。そんなことを考えた冬の電車の中。