11日山の日。
山仲間が白金温泉の野営場に集まった。
前泊後泊を飲んで楽しみ、12日はいくつかのパーティーに分かれて登る企画。
子孫3もいい年になったので、自由研究でそそのかし十勝岳~美瑛岳の縦走を企てる。
結果、ゆっくり登りたい女性陣IちゃんとTちゃんに体力を持て余しているYが乗ってくれた。
6時10分、自分と子孫3を合わせた5名で望岳台スタート。
天気を心配したが、雲海の上で景色はばっちり。しかも肌寒いくらいなので暑さによる疲労から子どもをごまかさずに済み助かる。
すぐに避難小屋が見えてくる。
自分にとっては29年ぶりの十勝岳。ルートも小屋も全てが変わっている。眺めもいいので気分もよい。
子孫3は多少の疲れを口にしながらも程よいペースで登る。
9時40分、十勝岳Peak。子孫3は、たらこおにぎりで元気を取り戻す。
東大雪は、島のように雲海に浮かんでいる。
火山の礫に包まれた十勝岳、緑につつまれでんとした富良野岳、沢に削られた岩肌を見せつける美瑛岳と、山肌が違う山々がこの狭い一体に並んでいるのはとても幸せなことだと思われる。
10時に美瑛岳へ向けて出発。
なんという景色!
荒涼とした台地を踏みしめ、緑の稜線に至る、片側は大きく削り落ち荒々しい岩の景観を見せつける。そして雲海…、子どものおかげでゆったり歩ける幸せをかみしめる。体力もてあまし男Yは1人駆けていった。
美瑛富士との分岐に来ると3か月前に見た残雪の景色を思い出す。その時も気持ちよかった。
12時30分、美瑛岳Peak。岩と景色に心をゆだね30分過ごす。
チーカマで疲労を回復させた子孫3だったが、ここからは彼にとっては苦難の道となった。
大体親もここまでのことは比較的詳しく話してきていたが、「美瑛に登れば終わったようなもんだ。」的な事しか言わなかった。それが岩と石がごろごろした不安定な下りと変化がなくだらだらとした歩きですっかり意気消沈。だんだん言葉がなくなっていく。
唯一の変化は、沢の渡渉。子どもにドキドキ感は大切。
重い足取りを続けるうちに、すっかり登山者もいなくなった16時、十勝岳登山道との分岐に到着。そして下りなのに40分かけて望岳台に到着。
どうやら白銀野営場を含む下界は、ずっと小雨が降り続いたようだった。
これでもう付き合ってくれなくなるかな、と思わせるほど子孫3は疲労の顔色だったが、1日天上の世界にいっしょにいられた。小雨の中、満足のビールを楽しんだ。