暑い日が続いている。
海を漕ぎたい。
道がなかった時代に思いを馳せながら、セタカムイに向かう。
「カムイ」という言葉はおもしろい。
いつから漢字が当てられているのだろう。
和の者とアイヌ、もしくは北の海の者が一人の人として出会うことがある場所だったのではないか、と妄想し、その様子を思い浮かべたりする。
振り向けば、確かに犬が遠吠えしているように見える。
主人を思う気持ちが神になるのもいい。
Uがトンネルをのぞき込み、「奥から光が見える」と言う。
では、行ってみるか、ということで入る。
狭い。
最奥で両壁を手で触り進むと、光が強くなった。
縦にだけ空間が広がり、感動の出口が見えた。
しかし、出口のみ船が通らない幅。
よっこらしょ、と船に立ち上陸する。
写真が出口。
船を縦にして引っ張り上げる。
カヤック以外では通れない感動スポット。
カヤックに似た船を操る大昔の民もここを通っただろうか…。
袋澗跡がある浜、居心地のよさそうな海水浴場になっている。
小さい湾は秘密めいた影が付きまとうイメージがあるが、ここは明るく広く、小さくていい。
そこから少し進んだ日陰のゴロタに流木を見つけ上陸。
休憩後、ロウソク岩を目指す。
こういう時はいつも頭の中にパイレーツオブカリビアンのテーマが流れ出す。
陸とロウソク岩の中間ぐらいに出ると、少し風が強くなる。
そして、上陸。
岩としての興味、歴史との交錯、子育て中のカモメたち、周囲の眺め…、いろいろ考えて頭が混乱。
だから、跳ぶ。
かなり深くまで見えるきれいな海。
カモメに怒られながら島を後にする。
この後すぐ上陸。
Uとの旅はここでおしまい。
ゆっくり片付けて、車で積丹半島の船出しポイントの探索に行く。
道が通じている湾や漁港を一つ一つ見て回った。
西風地帯、積丹岬を越えると急に波が強くなった。
土地の人と話した。
やはり西風が強く、波が高めなことが多い、とのこと。
やっぱりねえ、と思いながら今後のカヤック遊びを思案。
翌日の遊びがあるので、その辺で泊。
北の海の歴史を描いた本を読んで1日を終えた。