なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

日々、体がツタウルシにむしばまれていく…

2024-05-26 | 
それでも、赤岩に行く。
今日は6名でクリスタル直下にこもる。
ほぼ同時に着いたKGさんが「ドゥマガジン」をやると言うので眺めていると、「天まで登る」のドキドキ感を味わいたくなった。
1度目は、核心1を越えられず仕切り直し。
2度目は、核心1をごまかして、核心2をずるして、核心3は何とか越えて終了点へ。
全身疲労に包まれる好ルートだが、怖いところが多すぎる。
天から見下ろすと「サバイバル」試登中のHYさんがいた。

KGさんは弱気なことを言いながらも3度の「ドゥマガジン」トライ。
3度目はトップアウト。

合間に「サバイバル」や「ニューウェーブ」に取り組むみなさんを眺める。
「サバイバル」は、このアングルから撮るのがよいと思う。

もう「天まで登る」はできる気がしなかった。
「ドゥマガジン」を見ていて、ヌンチャク付きなら、と再登したくなった。
昨年登ったときは、「ステミング」という言葉の意味をよくわかっていない。
でも、独特の動きを強いられるドキドキ感の高い好みのルートだということは覚えていた。

この感じ、いいでしょう。
体の芯からドキドキ全身クライミングを味わえる好ルートだと思う。
声を絞り出しながら、ノーテンで抜けた。

ベテランKMBさんも、取りこぼしだったらしく、すぐRP。
終了点にいるのだけど、わかるでしょうか?

ちょっと低めの気温だったけど、青空広がるよい1日だった。
3便しか登っていないけど、25m越えのラインばかり登っていたし、ルートの性質上、心と体をめいっぱい使うラインだったので、充実した1日となった。

閃光に向かって

2024-05-25 | 
早朝から、魔人岩に向かう。
寒いが、そのせいか空気が澄んでいて眺めがよい。
一人でぶら下がり、岩の乾き具合とムーブの確認をする。

そうこうしているうちに、S-さんとN道さんが現れる。
寒さに震えしばし談笑。
そして、S-さんのRPトライ。
見事に成功。

後に続こうと取り付くが、体が冷えすぎた。
指が冷たくなって持てているかどうかわからない。
核心手前までやって、一度仕切り直し。
体を動かして暖める。手を岩の温度になじませる。
15分ほどそんな活動をして取り付く。

核心まではよどみなく動く。
核心後に2本指ぎりぎりポケットがある。
それを取りに行く動きも先ほど練習済み。
でも通してやると、体が上がりきらない。
どきどきしながら手を伸ばすと指が入ったが、1本しか入らず。
何とか2本添えようとするが、うまくいかない。
ここですったもんだしてたらだめだと思いなおし、1本指のまま強引に体を上げていく。
何とか次のホールドをつかみ、一安心。
後は特に問題なし。
そのまま終了点へ。
『閃光に向かって走れ』12d、RP。
トライ中のSーさんがいてくれたおかげで、ムーブ探しに専念できた。
感謝!

西へ移動。
44で知人と談笑。その後西壁へ。
『アジアンビート』に取り組む知人に交じり、久しぶりに触る。

閃光のダメージがあるのか、ただ弱いだけか、乗越部分でテンション1。
寒いが天気は回復傾向、空気が澄んでいてますます美しい。

いろいろあってさらに西へ。
後はほとんどおしゃべりだったが、最近のお仲間がたくさん集まって楽しい。
そして、岩も空もますます輝いた。



青空に触れてみようか

2024-05-19 | 
またまた赤岩へ。
7時過ぎには着いたのに車が多い。
クライミングシーズンだ。
KGさんと「デビルズダンス」をこなして、窓岩リッジに行こうという予定を立てるが…。


新緑と海の碧に包まれた鬼の踊り場にたどり着くと、不動岩稜を登ろうとするパーティーがたくさんいた。
初デビルズのKG氏は、不動パーティーの間隙を縫ってトライするも2本目支点で手間取り仕切り直し。
2便目で見事RP。

毎年登りたいルートの一つなので、KGさんの合間に登る。
その動画をニセコクライマーズチャンネルに上げてくれた。
弱いのでやたらレストが多い…。

2人とも鬼の踊り場の居心地のよさと「デビルズダンス」にやられてしまった。窓岩リッジで「フリーランサー」というフリールートに取り組むつもりだったが、「無理だねえ」という話になり、近くの摩天の稜線を登ることにする。
摩天の稜線は、藪コース付きの7P。
最近、夏も冬も藪突入が多い。
摩天は、1P目がすっきりかっこよく見えるし、7P目がとんがり岩塔なので気になっていた。
1P目を下から見上げる。

クラックに沿って登る。
赤岩本には、「浮石が多い」とあるがここはあまり気にならなかった。
2P目からは、傾斜が緩むところで崩れている場所があり風化している感じはある。

でも、登るのが怖いほどではない。
そして、常に不動岩稜の裏面がよく見える。
これは楽しい。

3P目が5級なので楽しみにしていたが、それほどではなかった。
カムは「0.5~3番」と書いてあったが、支点がたくさんほしいほどの難しさは感じなかった。
また、斜めの太いクラックは3番でも入らないような気がしたがどうだろう。
だが、クラックを斜めに上がっていくところの高度感は秀逸ではあった。

4P目3級のスラブにはRCCボルトがあった。
何も取れないので安心。
5,6Pは、赤岩本の通り。

すたすた通過。

ここら辺りも眺めは素晴らしい。

期待の7P目。
出だしはもろさを感じる。
手で浮石を感じながら、少し垂直を超えた太めのクラックに入るので、掴み方や足の置き方を慎重に考える。
クラックはかっこいいが、太すぎてカムは使いにくい。
クラック沿いと両側にガバがたくさんあるので、足を上げて安心できるところまですたすた上がるのがよい。
ここは期待通りのドキドキ5級クライミングが楽しめた。

写真の人がいるところが、クラックを終えたところ、高度感が素晴らしい。

最後の登りは草付きでパスできるが、直登すると露出感が演出できる。


窓岩の窓やミナヅキリッジ、不動岩稜などに囲まれて登った。
たくさんの仲間たちに囲まれているようで楽しかった。

赤岩はいつまでも楽しみを提供してくれる。
ありがたい。

青空に舞う気分

2024-05-18 | 
大先輩の命により赤岩西のアルパインを巡る。
一本目は西壁カンテルート3P。
1P目で久々のビレイ点作りをのんびり慎重に復習する。
そしてスカイラインへ飛び出す。
素晴らしき海の青、いや碧か。
3P終了点ではノーマルルートを登っていた若者との会話。
天気がよいせいか、みな晴れ晴れしている。
ダブル一発懸垂で洞窟前に戻り、西奥を目指す。

S田さんのアルパインを楽しみつつもフリーへの回帰という希望を叶えるために、赤壁クラックから西奥バンドルート3P目をこなすラインを考える。

赤壁クラック上部は戸惑いながらもノーテンで抜けてきた。
さすがである。

バンドルート3P目に進む。
西奥壁の構造上、バンドルートは3P目のみ未踏だった。
灌木のルンゼみたいなラインで判然としないが、赤壁上部をバックに登るので写真映えする。

これで西奥壁は全ルート登ったことになる。
別に登らなくてもいいラインだと思うが、青空の下、この辺では一番高い西奥トップに抜けるのは気持ちがよかった。

44へ移動。
N道さん、S-さんと合流。
S田さんとN道さんは旧知の仲だ。

クライミングを通して40年以上に渡る登攀の話に花が咲く。
望めない高みの対話がうらやましいが微笑ましい。
触発されたS田さんが「おはよう」をリードでトライした。
初夏とも感じられる日差しの中、
岩と山と雪に生きた方々の生き様に触れた1日。

だいぶ岩の体になってきたかな

2024-05-12 | 

気が付けば5月も半ば。

「まだシーズン初めだし…」などと言い訳しながらあちこちの岩場を彷徨っている。

昨年はすでに「ソルジャーブルー」のトライ仕切り直しを始めていたことを考えると、何か気持ちの変化があるのかもしれない。

今日はシーズン初の修験の壁。

眺めのいい岩場で過ごせるのは幸せなことです。

現地で待ち合わせなので、下地整備のため早々に森を歩き始める。

新緑の瑞々しい美しさには心が躍る。

岩場に着くと、一人眺めを堪能しながらリビング整備。

いつの間にか、この景色は季節の変わり目ごとに眺めたいと思うようになっている。

今度、真冬も来ようかな…。

到着した皆様が「陽当たり良好」をされるというので、先に登らせてもらう。

新緑にブルーが映えるHYさん。

同じように「甘い男」も登らせてもらう。

さて、少しまじめに「意志を継ぐ者」をやろうかとも思ったが、KMBさんとONさんが「狐の嫁入り」をやるというので、便乗する。

とても気に入ったルートだったので、珍しくムーブはすぐに思い出したが、保持力は持たず。

でもおもしろい。

ガバを思い切りつなぐ、とか、微妙なバランスで立ち込むとか、細やかな足遣いでムーブをつなげるとか、要素が満載なのだ。

このムーブを楽しむことに決めて、昼食。

高台テラスでの食事はいつもおいしい。

登る気なさそうに佇んでいたN道さんが「山伏」をやると言う。

「登れなかったら回収できないな。」とつぶやきながら、山伏をマスターで登る傘寿越えの方。

1990年代前後は60越えて12登ってたら、山岳雑誌で記事になっていた。

今なら60越え13もそこそこいそうだが、80越えの11なら記事にならないのだろうか…。

みなそれぞれ、自分の登りを楽しみ、自分も2トライ目のキツネをやるころには雲行きが怪しくなってきた。

それぞれの登りを終え、そそくさと片付けて終了。

シーズン開始期は、ここで新緑に目を癒し、眺めを楽しみ、冬の間に崩れた地盤を整えたい。

そんな望みは全て叶った。