なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

大満足の周回ウロウロ&テクテクツアー「西暑寒岳」

2024-04-29 | 雪の山
GWは、雪シーズンの総仕上げ、気持ちのよいルートを巡りたい。
そうして選んだのが増毛山塊、中の沢岳~西暑寒別岳~暑寒別岳を巡るコースだ。
4月28日に林道入口で前泊。29日に運良く踏破することができた。


29日朝は3時起床。
星空に月明りが浮かび、好天を期待する。
4時半には、登山開始。
林道入口すぐの橋を使い、暑寒別川を渡る。
ここからスタートすることで徒渉に苦労することもなく、中の沢岳を経由するルートを取ることができる。
また、尾根も広いので残雪をつなぎやすいことも魅力と考えた。
出だしの急登は、雪が硬いこともありシートラで処理。
若干のヤブ歩きを強いられる早朝のシートラ急登は疲れる。

1時間ほどすると暑寒別岳の尾根から朝日を拝むことができた。
広い尾根は予想通り歩きやすい。
残雪量も問題なく、ウロウロステップソール板はシールをつける必要がなく、快適に高度を上げていく。
登山開始から2時間ほどで、西暑寒別の山容を捉えた。
暑寒別本峰も見えて、コースの全容が見通せる。
時々短い急登があり、シールを付けていないため、その度に板を外し手に持って処理していく。
959m手前の細い部分で少し雪が途切れる場面があった。
板でハイマツを踏みつけ越えていくのも春ならではで、楽しい。

1073m三角点を越えると、完全に西暑寒別を捉えた。
ここからしばらくこの眺めを見続けることになる。かっこいいじゃあないか。
コルからピークへ至るヤブの状況を眺めて、ラインをどうとるか相棒Uと話しながら歩を進めていく。
振り返ると、登ってきた尾根が見渡せる。
疲れが海まで飛んでいく。

中の沢岳1189m、ピーク。
ここで、西暑寒別に至るラインをほぼ決定。
しかし、コルへ至るラインはこの時点では決めきれない。
雪も少し柔らかくなってきた。
あまり下ると登りが増えるので、ヤブの弱点を突くつもりで左斜面トラバース
すると、ヤブを越えなければならない場面に至る。
先の見えないヤブに突入すると、下が露岩の崖になっていたため、木を掴みながら急登を降りて雪の上に立つ。
この後、少し滑りを楽しめた。
振り返り、中の沢岳ピークからのラインを見通す。
赤ラインのスタートが中の沢岳。
この角度からだとなかなかかっこいいピークだ。
露岩も迫力を演出していていい。

コルから西暑寒別PまではEPで登る。
終わってみればシール登行も可能だったかと思うが、ヤブを避けると急な場所が2か所あったので、ずっとアイゼンをつけて歩いた。

西暑寒別1413mピーク。

バックはこの後歩く道のりと、暑寒別岳。
うわさの岩稜が立ちはだかる。
ここまで6時間半程度、だいぶ疲れたし、いい時間だったので眺めを堪能しながらの昼食をとる。
反対側に群別や尾白利加が見える。両峰とも目を潤してくれる山容だ。

カップラーメンをすすり終えると、雪をつないで稜を滑り、立ちはだかる岩稜に向かう。
目の前にするとでかい。
確かにこれは直登できない。直登しても上はヤブだし…。
右はかなり下までヤブが続いているので、やむなく左のラインをとる。
雪がだいぶ柔らかくなっているので、板のままシューっとトラバース。
少しヤブが出ている場所でアイゼンに履き替え、15分ほどの急登攻略。
はたから見るととても危なく見えたと思うが、雪質的には問題なかった。

尾根に上がると暑寒別ピークは目の前だ。
西暑寒別を振り返りながら、滑った稜やトラバースした斜面にドキドキした。

暑寒別岳1419m。
さすがに人が多い。
時間が早ければもっといたのだろう。
ここまで来てようやく拝める大雪などの眺めを遠望し、満足感に浸りながらゆったり休む。

下山は長いが、スキーは速い。
板が走るいい雪だ。
ヤブにさえぎられることなく、長くてゆったりした斜面を堪能する。
14時には暑寒荘に着いた。
心も体も大満足の1日だった。


春を満喫 二ッ森679m

2024-04-14 | 雪の山
倶知安と赤井川を隔てる稜線。
この稜線中に1つだけ踏んでいないピークがあった。
それが二ッ森。
でも赤井川から登ると、どうも面白くないような気がして行く気になれなかった。
それで倶知安側から登ろうと考えた。


ウロウロスキーに最適な林道スタート。
振り向くと羊蹄さんのお見送り。

春の小川の横を幸せな気分で歩く。

大きな砂防ダムまで来ると、適当な地形を登る。
663mポコを目指す。
送電線の真下まで来ると、地形図の詰まっている部分が崖。

崖の前は、休憩によい広場になっていた。
そこからの眺めはよい。


傾斜は増すが、この季節はウロコがよく効く。
シールをつけずに高度がかせげる。


663mの東側の先に風情のある露岩があった。
上がれば眺めがよさそうなのでボルダリングごっこ。

3人で上がって、ピークを捉える。

赤井川三角山はこっちから見ると格好のいい山だ。
こちらからのルートも考えてみたい。

ポコからシューっと一滑りすると幸せの道が続いていた。

ボワンとしたピークを眺めながら稜線を進むのは満足感が高い。


ピーク。

春のスピードで3時間。普通は必要なシールの着脱が入ればもう少しかかるだろう。

時間があるので、各自眺めのよいテーブルを作り、幸せランチをいただく。

余市岳方面、ニセコ連峰、八内岳まで続く稜線とその奥の積丹方面の山々が見渡せる。

帰りはまっすぐ林道に出ようと話していた。
羊蹄に向かって滑り込む。

青空をバックに滑っていく。

樹林をかわし沢底へ向かう。


あっという間に林道に出る。


鳥の声と川のせせらぎに春をたっぷり感じながら幸せな時間を終えた。

ようやくウロウロツアーと言える山歩き 「赤石山〜屏風山」

2024-04-07 | 雪の山
低気圧の進路が北寄りに変わった。
これなら山もいいと思った日曜日。
赤石山をからめて積丹の稜線を歩く企画。

古宇川林道を行けるところまで車で行く。
車止めから上がりやすいところを上がる、ということで結果的に急斜面を上がることになる。

急斜面をぐいぐい登って何とか604ポコを少し南側から避けて歩きやすい尾根に出る。
3人でなんだかムキになって登るうちにピーク台地が見えてくる。
そしてピーク。
珊内~余別~ポンネなどの積丹主峰群に鉞山など脇を固める役者を眺めるとともに、海と空の青の融合ラインを堪能する。

赤石山ピークには三角点はない。300mほど南に998mの三角点ピークがある。
一応そこにも寄る。
不思議なことにこの三角点名は「珊内岳」というようだ。
ではいわゆる珊内岳の三角点はなんて言うのだろうと思って確認すると、こちらも「珊内岳」。
違いは二等か三等か。
まあ、でもこれで「珊内岳」を2つとも踏んだな、と満足する。

赤石山に戻って昼食。
贅沢な眺めと1000mの無風で平らな場所では、何を食べてもうまい。

さて、稜線歩き。
これがなかなか優しくない。
アップダウンが多いのは地形図で感じてはいたが、いちいち急だ。
ウロウロ板なので、その分、気楽に滑りを楽しめるが…。
眺めは常に最高級だしね。

屏風山が近づく。
海から見て、屏風なのがわかる。
このピークは2度目だが、こちらからはっきり「屏風」状を見たのは初めて。
どっしりした好きなピークだ。

振り返ると来た道が見える。
たった6時間の道のりも振り返ると長い。

当初はガニマナコとか珊内も視野にはあったが、疲れたので下る。
主目的は赤石だったし、この先は既登域だ。

最初に標高差900m越えを登っているので、当然長い距離を滑って戻る。
どこも樹間は広い。

そして眺めはよい。
眺めから人の気配を感じないのもいい。
街並みとか畑などの人工物が目に入らない。

幸せすぎて、もうなんでもいいや、という気持ちで沢に向かって下っていく。
案の定、多少歩きが入るが、ウロウロ板には何の苦労もない。
適当に進むと林道に出た。

幸せ稜線歩き、という感慨ではない。
春のほどよい緊張稜線を楽しむ、と言った感じであった。
春のウロウロ稜線歩きは楽しい。

裏から行けばいいんだ 「安瀬山」654m

2024-03-30 | 雪の山
先週安瀬山に行こうとしたが濃昼山道入口の雪がなく断念した。
よく一緒に行くUは、その週に円錐峰に行ったというので、円錐峰に行くルートをなんとなく眺めていた。
すると、安瀬の裏側だということに気が付いた。
「こっちから行けば雪あるなあ」ということで、行ってみた。

ところどころ15㎝くらい雪がついた林道を1人で車を走らせる。
1人だと、帰りぐちゃぐちゃになったら越える時どきどきする。

ぐちゃぐちゃの除雪止め車を停めて歩き出す。
時間的にまだ雪が硬いのでぎりぎりまで林道を詰める作戦にする。
林道側面の雪はだいぶ崩れだしている。
落ちてこないように願いながら通過すると熊の足跡。
春先は標高が低い場所の方が足跡ありますね。
周囲を見渡しながら歩くと雨が降ってきたので、しばし雨宿り。
やまないから小雨の中歩き始めたらやんでくれた。

この後も数回熊の足跡をたどる。
どきどき…。

徒渉も雪が柔らかいのでどきどき。
スキーで渡って岸ギリギリでそうっと外し、段差をキックステップで越える。

稜線は安心。
徐々に眺めが広がる。
先週安瀬をあきらめて行った別狩(南)を見る。
こいつもこっちから行けるかな…。

504から主稜線へつながる稜線。
好みの稜線でうれしい。
この辺は標高が低い割にいい斜面が多い気がする。

Peakを捉えた。
滑りも楽しそうだ。

120m下って、150m登る。
この辺だけ海向きの沢から吹き上げる風が強い。
Peak直前のみ少し細いが怖がるほどではなかった。
ガリガリで突風だと怖いかもしれないが、今日はこの辺からは風がないし雪も柔らかい。

約3時間半でPeak。雨宿りしなければ3時間で済んだだろう。
よい眺めだ。
風がなかったのでのんびり昼食をとる。

Peak直下の斜面。
沢型に滑り、途中からコルへ向かう。
贅沢を言えばもう少しザラメがいい。

下りは稜線をたどる。
細いところもあるが藪をよけたりする必要がほとんどない。
歩きやすい稜線だった。

562mまで来ると広々していて気持ちがいい。
512mからスタート地点へ下っていく。
ここも素敵な斜面だった。
滑り終えたところも広々台地でいい。

Co300mくらいで雪が切れたかと思った。
横をのぞきながら急斜面を滑っていくと、なんとかつながっていた。
樹林の急斜面を滑りながら、勘で車のあるところを目指す。
見えた!
ほぼぴったり。
うれしいね。

Peakから海側をのぞいたが、急峻な尾根と沢だった。
当然そっちの方が短いが楽しいライン取りは期待できそうにない気がした。
結果長くなったが変化の多い好みのラインで周回できた。

なかなかたどり着かないことがあるものだ

2024-03-23 | 雪の山
安瀬山に行こうと思って濃昼参道入口に行った。
でも、雪がない。

100mくらい上がればありそうだが、ぐちゃぐちゃをスキー靴で歩くのも忍びないので転進。

近いから別狩岳(南)に行こうと思った。
最初に考えたルートで当別川を渡ろうとしたが、橋がこんなの。

これは渡れない。
一度スキー靴で上がってみたけど揺れがひどい。

あきらめようと思いながら少し車を進めると別の橋が見えた。

これなら渡れる。
やったーと思いながらルートを確認。
行けそうだ。
むしろこっちの方が近い。
という訳でスタート。
まず、前衛峰の586mを目指す。

平らで快適な湿地のような場所を抜けると針葉樹林。
そして樹林を抜けると、586mが見えた。

下からも見えていたが、近づくととてもいい斜面が広がっている。

標高差300mをまっすぐ登っていく。

下りが楽しみだ。

前衛峰の眺めが素晴らしい。
間近に神威尻やピンネを眺め、札幌、積丹方面から雄冬方面もばっちり見える。
そしてピークを捉える。

稜線細いな、とは思っていたがあまり気にせず歩を進める。
なかなかの難所に見える。

この写真の向こう、最低コルの部分が大変だった。
地図では平たいが、実際は細くてモコモコしている。
両側とも切り立っていて南面はクラスト気味。
しょうがないので20mほどシートラして越えたが、振り向いて考えた。

これ、雪が緩んだらやばいのではないか…
今の硬さでも足元が若干崩れそう。
滑れば100mは止まらないだろう。
迂回方法も考えたが、今日は単独だし夕方早い時間に宴会を控えている。
ピッケルは車に置いてきた。
やめとこう…、安全敗退決定。

戻るとき一度足元が崩れそうになった。
あぶない、あぶない。

時間に余裕ができたので、前衛峰でゆっくり食事。

春のにおいを感じながら、よい眺めのもとで食べるものは何でもうまい。

さて、お楽しみタイム。
標高差300を場所を選びながら滑る。

とてもいい。

いろいろたどり着かない日だったが、春山気分は満喫。
酒がうまいに違いない。