なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

厳冬期の味わい

2022-01-30 | 雪の山
みなさんのお誘いで「八百五十」という名前の夕張の山。
雪の深さ、-10℃程度の気温、降る雪の量と強風を元気に楽しむ、うきうきウロウロツアー。

林道があるのに、すぐ急斜面を登りたがる。

この日のメンバーは5人。
かっぱには珍しい大人数。
それだけで少しハイテンション!

尾根に上がると歩きやすい森。

雪がわさわさ降ってくる。ラッセルは深いが重くはない。
気温が低いので、ラッセルしていて丁度いい、などと調子に乗るが、頂上直下の斜面の雪の深さは尋常ではない。気温は低くなっているのに、上着を脱いでもラッセルで暑い。

稜線に出ると強風、白い、ヒダヒダ積雪、時々片雪。

まさに厳冬期の味わい。やる気になる。

奥がPeak。

Peakで、本日のメンバー。

変わったメンバーでしょう。

頂上直下はかなりの急斜面。

粉雪が体にまとわりつく感じ。思い切って滑ると前が見えない。
そして、傾斜が緩むとすぐ止まる。
止まると前に雪がたまって、足が動かせないこともしばしば。

この日は全員ウロコ板。

多少の登り返しはなんともない。

大昔はスキー場だったという場所。登り返して遊ぶ。

5人で登り返して、やっと少しターンを楽しめるほどの積雪。
そしてここでは嬉しい晴れ間。


林道に出ても、まっすぐ下りたがり…。


最後は硫黄臭の水が流れ出る炭鉱跡。

少しぬるめの流れに夕張談議。

あと数回、厳冬期をしっかり味わうと、春の味わいが深くなる。




ペーペナイ川周辺探査 ~晴れ晴れ笹岳971m~

2022-01-23 | 雪の山
ここ数年、ペーペナイ川を中心とした稜線を探査している。
地図を眺めていると本倶登山から無意根~喜茂別岳、と広く囲まれている流域だ。
また、双葉ダム、京極ダムと2つもダムがあるにもかかわらず、その奥になぞの調整池があり、「地下発電所」と表示される。
何か秘密裏に行われているのではないか、などと妄想を巡らしながら、晴天の三角点名「笹岳」971mを目指した。


上の地図のスタート地点にゲートがある。車道は奥まで完璧に除雪されているが入れない。しばし車道を歩いて、取り付きやすそうなところから上がる。

天気もいいし、森もいい。太めの広葉樹林なので歩きやすい。

2時間ほどで目的の稜線から伸びる細い稜線の上に乗る。
眺めがぐんぐんよくなり、気持ちいい。

下りの斜面を目視で品定め。写真の送電線鉄塔付近から沢型にまっすぐ滑ると楽しそう。

稜線に上がると、双葉ダムが眼下に見える。


羊蹄も今日は気持ちよさそう。


稜線は期待通り、なだらかな地形が広がる好みの場所。

ウロコ板なので、なだらかな稜線ではシールを外す。今回のルートは全体的に微地形が優しい。この稜線もウロコですいすい行動できる。モービルが複数台やってきてうるさいのには参ったけど…。

笹岳Peak。

ここだけぼわんと広く、木がほとんどない。そして展望がよい。

そしてこれが、地下発電所の調整池。

地図では、あそこまで点線の道のようなものが続いているが、冬でも車が入れたりするのだろうか?

本倶登山に続く稜線もじっくり眺める。

広々とした素敵な稜線だ。1時間ちょっとで本倶登Peakまで行けそうだ。

右に稜線を追っていくと美比内山の北側に続き、無意根山、中岳ときれいに遠望できる。

稜線つないであちこちウロウロする夢を見ながら、ぼんやりしたPeakでぼんやり過ごす。

下りは稜線ポコをいちいち上がって眺めを確かめる。
労せずこんな歩き方ができるのは、ウロコ板のいいところ。

目を付けておいた斜面に突入。

幸せ。

登りのライン取りがよかったのか、いい斜面の後もほとんど止まらずシューッと下山。
登り4時間近く1人でラッセルして疲れた。でもおかげで心も体も大満足。

静寂の森に長い時間 ~定山湖から片岩946m~

2022-01-16 | 雪の山
「片岩というPeakに行きませんか?」と誘われ、よくわからないことは言わずに「いいですよ」と即答。わくわくしながらその日を待って、その日が来た。
場所はここ。


朝、8時前には中山峠手前の林道入口に3人で立つ。


これから定山湖に下りる。
林道を適当にショートカットしながら滑り、豊平峡大橋。

白銀の定山湖の静寂にため息が出る。

ガマ沢を渡る林道を進む。
ここも結構立派な橋。

林道はつまらないので、沢型ショートカットを主張し、ヒダヒダに少しはまる。


また林道に戻ると、いよいよ片岩Pがそそり立つ壁のように目の前に見えてくる。
南面直登も考えたが、西の尾根が若干傾斜が緩い感じなので、西の尾根に上がってPを目指す作戦。

急斜面ですね。
西尾根は上がれば上がるほど急になり、雪がしまってシールが効きにくい。途中で気付き少し北側に回り込むが、傾斜がきついのと灌木の位置が悪いのとで進まない。
スキーで上がれないところも出てきて、板を外してもがきながら登ったりする。

もがいて上がると、P直下。

ロックガーデンを何とかパスして、ようやくPeak。なかなか時間がかかった。

看板あってびっくり。どなたでしょう。ありがたい。
寒くないので、少しのんびり。
休憩用の雪の壁つくっておきましたので行く方はご利用ください。(誰も行かない!)

Peakから南面を除くと、急ではあるが幸せそうな樹林が広がっている。雪も何だかいい感じ。ということで南面を滑り降りる。

いい雪でした。
少し急だけど、針葉樹がほとんどで見通しよい。登りもこちらの方がよいように感じられた。西を見たから思うのでしょうけど…。

急斜面が終わると針葉樹の森。

風情がいい。

林道に戻り、登った沢型を滑る。


最後の登り林道が長い。
みんなでヘロヘロになりながら、登っているとすっかり夕刻。
夕日に照らされる狭薄山が輝く。


ゴールにつく頃は、すっかり暗くなっていました。


3人ともウロコ板で、ウロウロやぶやぶスーパーアルパインって感じの山行で、心も体も大満足。9時間行動になってしまいました。



冬の積丹半島は天気安定しませんね ~両古美山806m~

2022-01-10 | 雪の山
天気図を見て、月曜が一番連休中、安定している天気だとみた。
近場の名もないPeak探索の予定だったが、直前に雲の流れを確認すると、積丹半島に雲が少ない。そういえば昨シーズン3月に両古美~泥の木に行って、天気はいいのに雪がガリガリだったのでフワフワ時期に行こう、と思ったのを思い出す。
その時も一緒のUに伝えると好返事。
で、トーマル峠へ。

小雪がちらつく峠を出発して、尾根に上がると晴れ間が!

でもPeakに近づくと真っ白。まあ風が強くないからいいか、と言いつつも風を避ける方向へ滑る。


標高差200mくらい滑り終わると、なぜか晴れる。

これで安定するのか、と思って上がると、また白め。

写真の斜面のどこかを滑りたいが、今度は風も強くなる。
仕方がないので同じ面の違う斜面を滑りますか、ということでまた滑る。

だいぶ白いでしょう。

風雪を避けて、小さい沢型にはまって滑り、風が弱いところでお食事タイム。食事の間に晴れる。

でも上に戻るとまた白。

今度はさっき見えていたポコが見えない。

もう帰ろうか、ということで帰路。

帰路もそこそこ滑るところがあるし、トンネルの上を滑るのは楽しいし、ラッセルもたっぷりしたので、まあいいか。

両古美Peakを3回踏んだ。彷徨いウロウロ趣味なのでPeak周辺はウロウロしたからよしとしよう。

志を果たしに! ~壮志岳683m~

2022-01-05 | 雪の山
札幌近郊は風雪の影響をもろに受けそうな気がした。
天気のいい時に行きたいと思う山はたくさんあるが、その1つ、壮志岳。
ぎりぎり天気の縁なのではないかと思い、出発。

スタート地点。
最近やぶやぶツアーが多かったので、最初の藪を見て少々不安がよぎる。

389mに至る尾根に上がるルートを選択。まだ藪。

しかし、稜線に近づくと、予想が当たり青空が見え始める。

稜線に出ても多少藪はあるが、歩きにくいほどではない。
標高550mを越えると、広くて木がすくない地形が広がっている。
好きな光景だ。

ピーク稜線に上がる。

とても、美しい回廊。
登ってきた方面はかなり白い景色だが、反対側は少し眺めもあり、やはりこの辺が天気の分かれ目。

Peak。

東側は切れ落ちてかっこいい。
うすぼんやりした眺めもまたいい。
しかも結構暖かいので、割とのんびりする。

滑りはまっすぐ。Peak稜線の端まで戻り、そこから徳富川に向けてまっすぐ滑る。

どうですか、この斜面!

この後、藪はあるが滑りに支障が出るほどではない。
ほどよくかわして滑るのが楽しい。


あっという間に徳富川。

もう少し時期が遅ければどこから徳富川に下りてもよさそうだが、上から見ると尾根が出たところが少し心配だったので2つほど沢側をかわして川に出る。

以下ルート。

今日のラインと少し違うところがある。
こういけば楽だったね、という登りライン。
下りは大体同じ。

近くに欲しいけど、札幌近郊にあったら、大人気で結局行きにくくなるんだろうな。
人けのない森の中にいると、ほんとに元気になります。