なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

RPのつもりで行ったが…

2024-10-27 | 
修験の壁。
思いのほか暖かく、風もない。
見渡す秋の景色に心を満たしながら、「意志を継ぐ者」12dに一人で懸垂ヌン掛けし、集いし方々が来られるのを待つ。

寒くなると困るので、後で陽当たる場所に宿をこしらえておく。
そうこうしているうちに、岩場に4人の方々集う。
珍客もお一方。
もう寒くて動けないのか、宿の中に入り込み、近くを触っても動かない。
暖かく過ごしてもらいたい。

「意志を継ぐ者」1便目、意気揚々と始めるが体が思うように動かない。
その横では、遠来のタッシーが、あちこち触って楽しんでいる。
KGさんとママさんは一緒に「意志を継ぐ者」に取り組む。
みな微妙にムーブが違う。
雑談程度にムーブ談議をして臨む2便目。
終わらせる気持ちが遠のく。
珍しくあせっているのか、足運びがスムーズにいかない。

だが、うまくいかないことで掴み方や足運びを再度深く考え始める。
そこにINさんも参加。

先日落としているタッシーも参加し、みなムーブが違うことを前提にINさんに好きなことを言う。
同じルートを前にムーブが違う人4人に見守られるってどんな気持ちだろう。それでもINさんは、最後に放たれた「ノリで行くんだよ。」という声のみを聞き、ノリで核心を越えた。
この美しい足運びに気持ちが踊った。
そしてその足運びに寄り核心デットを右手出しで越えていった。

ひとしきり、その話をして3便目を出したが、解決ならず。
今シーズンで終わらせるつもりだったが、もう修験は寒い。
今日の話をしっかり頭に納め、今シーズンの修験は終了。
多分、来年も同じ話をして、「去年も同じこと言ってたね。」と言うのだろう…。
クライミングって楽しいもんだ。

楽園で遊ぶ

2024-10-20 | 
近場はどこも気温が低そうなので、おとなしくしていようかとも思ったが、太平洋側の天気がよい。
どこかがよい天気だと居ても立ってもいられない。
アヨロでロープにGo!
ススキが揺れる時期の記憶はあまりないので、朝から感動。

以前から楽しんでいたクラックルート「楽園」10cが目的だが、付き合ってくれたEさんに楽しんでもらいたいがために「渚から来た者」10aを先にやる。
レイバック部分は楽しいが、上部抜け口のクラックが広がるところにいつも土がたまっていて、指が入らない。
そこに指が入らないから、いつも一発でトップアウトできない。
だからまだRPしていない。

すぐ横のボルルート「命のファイヤー」を見ると下地がすごく高くなっている。
写真は昨年11月のもの。
今は、赤い線から下は埋まっている。
下地が高いので、落ち着いて取り組めなかったトラバース部分が安全に練習できた。

さて、本命のクラック「楽園」。
これも下地が1m弱上がっているが、それは昨年の10月より前と同じ。
カムを決めながら抜けきりたいと思ったが、上部で3番カムを取り出すのに手間取った。
パンパンになった右腕では、最上部で広がるクラックを抑えきれずテンション。
カムは何とか全て決めたのですけどね…。
2便目はムーブにも慣れ楽に抜けられた。
そのうちカムを決めながら抜け切りたい。
KMBさんもトライ。
気持ちのよいラインだ。

ふと、海に目をやるとカモメたちが集まって騒いでいる。
岸辺でキラキラ輝くものが飛び跳ねているのが見える。
近付くと、カタクチイワシの稚魚。
青く輝き美しい。
下地の変化や草の生え方、波の当たり方などに加え、また新しい自然現象を見ることができた。
何度来ても違った景色を見せてくれてうれしい。

大好きな「スキマチムニー」が近いので、来る人来る人に勧める。

今日は新しい方、3名がやってみてくれた。

最初に登った「渚から来た者」をTRにしてあった。
このクラックもきれい。
上部に土がたまらなければいいのになあ…。

奥の浜は始終暖かい日差しに包まれていた。

「青春の門」をくぐる歳ではなかった

2024-10-14 | 
小樽赤岩東の大壁で登っていないアルパインルートは残り2つ。
そのうちの「逆層の凹角ルート」は、赤岩本の記述がやばそうなのでやめておくつもり。
もうひとつが「北西壁大ハングルート」だ。
しかも、この途中には「青春の門」という12bのフリールートがある。
登れるかどうかはともかく見に行くことにする。
今日は素晴らしい青空に加え風も穏やか。
ピナクルに見送られ、大壁の頭に行く。

「青春の門」の終了点にうまいこと出る方法を考えた。
「黒いリッジ」の5P目を懸垂する。
そこから10mほどeクラック方向に藪を歩き、適当な木で懸垂すればちょうど青春の門の終了点、つまり北西壁大ハングルート2P目終了点に出られるはず。
真横に「ウルシルンゼ」と一目で分かるルンゼを見ながら、ドンピシャで終了点に出た。
終了点の支点が比較的まともで安心した。
写真ではいろいろついているが、ハンガー3本に細引きが通してある。
この安心感が災いのもと。
ここからまっすぐ下りれば、青春の門のスタート地点に出るはずだ。
ラインを眺めて、あわよくばTRで楽しもうと考えていた。
しかし、ルートの傾斜がきつい。
下りながらヌンチャクをかけるのが大変。
これは無理かな思いつつも、2ピン目までかけた。
3ピン目まではロープを通してきたのに、傾斜きつすぎてスタートの岩に足が届かない。
しばらく大壁中間の空中で体を揺らして頑張るが、ホールドが悪く取り付けない。
仕方がないので、5mほど追加懸垂して何とか岩にとらえた。
そしてS地点に上がる。
ハンガーが動くボルト以外は、今にも輪がちぎれそう。
左上のRCCボルトは、この後輪がちぎれた。
「ここでフリーのビレイする気にはならないね。」ということで、下りてくるKGさんにせっかくつけてきたヌンチャク回収をお願いする。
それがまた大変。

傾斜がきついんです。
2人の知恵と技を結集して、何とか回収をこなす。

今回は60mロープ1本で来ていた。
実は終了点から60m折り返しで下まで届いていた。
何かと気疲れしたので、とりあえず下まで降りた。


中央バンドでホッと一息。

気を取り直して、「北西壁大ハングルート」を登る。
「出だしが悪い」と書いてあるが、本当に悪い。
2P目は先程のS地点からだ。
右と左があるが、左を行く。
赤い線が、赤岩本の図で示されていると考えられるライン。
ロープがかかっているのが「青春の門」(これは下りてくる時の写真)
オレンジが今回登ったライン。
赤ラインは中間部にスタンスが見当たらない。
また、カムが決まりそうにもない。
ハーケンが2本あったが、さびさびで上のは輪がなくなっている。
だからオレンジのラインにはとても突っ込めない。

支点を取るためには右のクラックに頼る必要があるので、右寄りに登った。
クラックは上部で細くなるので、最後まではたどれない。
一度目は、けっこうこわごわクラックにカムを決めてから、右に出ようとした。
左のホールドを探している時に、右手で捉えた小さなホールドが崩壊。
緊張感で爆発的な力を一気に出してしまったか…。
カムがよく効いていたので止まった。
2度目は、初めから少し左寄りに動く。
カチで痛いホールドと小さいスタンスを3手ほどつないで、全身の毛が逆立つムーブをこなした。
とても怖かった。
ほんの2mなのにね。
この2P、5級になっているが6級でいいと思った。
こんな怖さの5級は知らない。

3P目は、ウルシルンゼ沿い、半ヤブ漕ぎ。
この終了点は鎖付きでしっかりしている。
で、ここには下降点の松の木からのロープが伸びている。

大ハングルートの終了点へ向かう側は崩壊が激しい。
もうこの最終ピッチはやめた方がいいと思う。
日の当たる美しく穏やかな海を眺め続けて、自分たちはずっと日陰に居た。
ここに来て、太陽の下に出た。
暑かった。

これで東の大壁は一区切り終えた気持ちになった。
窓から見える青空の美しいこと…。


雑感でしかないが…、
「青春の門」は1999年に吉田和正氏が初登したラインだ。
取り付くのが大変なので、あまり登られていないのだろう。
それとも、スタート支点がもう少ししっかりしていれば、日の目をみるかしら…。

意志を継ぐ者大会

2024-10-13 | 
日ごろから親しみ深い人たちが集まった修験の壁。

今日は8人が修験に集った。
日差しはよいが風の強い1日。

最近来るたびにちょいちょい取り組む「意志を継ぐ者」12d。
自分を含め、8名中4名がトライするという稀な日。
早朝先に行って懸垂ヌン掛けした甲斐があるというもの。
しかも唯一の若者Fくんは、なんとフラッシュを決めるという快挙。

最近の相棒KGさんは、この日初の核心ガバ止めをこなす。
連チャン予定のタッシーは、相変わらずじわじわと時間をかけて確実にムーブを解明していく。

INさんは「狐の嫁入り」12c。
初触りなのにオーソドックスなムーブを自然に見付けてトップアウトを繰り返す。


リード4日目という若者SN氏は、KGさんにそそのかされて「陽当たり良好」マスタートライ。

そしてそのまま行けてしまう。
いやはや、秋空のめでたい日があるものだ。

あー、自分のことを忘れていた。
1便目に途中テンションはありつつも、核心ガバ止めが成功する。
2便目は、ガバ止め足置き確認。
確実にガバを止めるには、足の置き場所を上げていく必要があるが、なにせ強度が高い。
3便目、行く気はあったが力は不足。
あせると足が迷う…。
まだまだ楽しめる秋が続く。

ワイワイガヤガヤ、日差しと風を夕暮れまで堪能した。


まだ知らない岩があるものだ

2024-10-12 | 
今日は出かけないつもりだったが、天気が良い。
先週ベルギー岩から見えた小岩塔が気になったので見に行ってみることにする。
何度かオタモイや山中の三社神社から、赤岩の縦走路を歩いている。
ベルギー岩から眺めた感じだと縦走路の近くに見えた。
なぜ気付かなかったのかと、考えながら行ってみる。
なるほど、これは真夏は気付かないかもしれない。
縦走路からすぐなので、たいしたヤブもなく岩の基部に出る。
これは少し下りた東面。
黄色いところはラインが引けそうにも見える。
回り込んだ海側。
もろくはないが、岩が割れている感じに見える。
道側の基部。
ロープなしで登れたが、頂上部は割れ目が多く、大きな岩が乗っているだけに見える。
ふと横に目をやると、錆びたハーケンがあった。
登ろうとした方がいたのね。
先人は偉大です。
そして、緑色のクライマーがいた。
まあ、この方々が集う岩、ということでいいかな。
ちなみに場所はここ。


岩塔の上から赤岩山を眺める。
三つの岩塔から見えたのにこちらから岩塔は視認できなかった。
で、せっかく赤岩山の近くまで来たので行ってみることにする。
2回目かな。
昼食時間だったので、展望台まで歩く。
風に揺れるススキを眺めながら昼食。
よい秋空だ。

グリグリソロの実験をしてみようと思って、準備していたので車に戻り峠に回る。

この絵がとても分かりやすい。
ありがたい図だ。

奥チムニーに誰もいなかったので、ボルトと終了点が近い奥フェースで実験。
ロープの流れはスムーズだが、繰り出しに手間取る。
でも、落ちても安心なのはわかった。
練習したら、簡単なアルパインならやる気になるかな…。

44に知人が集っているようだったので、のぞきに行っておしゃべりした。
RPと張りつめたトライで充実感があふれていた。