ゆんのひとり言

~iLYsゆんの推し事とスイーツを語るブログ~

「近松心中物語」@新国立劇場 中劇場

2018-02-05 12:00:00 | 観劇記&鑑賞記

今年のエンタメは久しぶりにLIFE以外で幕開けしました♪
「近松心中物語」です。
公式サイトで、テーマソング(石川さゆり)が流れてますねー。

最近小さい箱ばかりなので、このサイズの劇場は久しぶりです。
格子状の2階建てのセットが縦横無尽に動いて、
吉原の郭や忠兵衛の家などに次々場面が変わります。
たくさんの風車と、それに当たる照明が
どこか懐かしさと寂しさを感じさせてくれます。

何となく、亀屋忠兵衛(堤真一)と遊女梅川(宮沢りえ)2人のお話だと思っていたのですが、
忠兵衛の幼馴染・傘屋与兵衛(池田成志)と妻のお亀(小池栄子)の2人のお話ともクロスしていて、
その対比が面白かったです。
お人よしで優柔不断な与兵衛と、その与兵衛のことが大好きなお亀。
こちらの2人は関係性がハッキリ見えて、分かりやすかったです。
また、小池栄子の振り切れた熱演がいい!
やりようによってはかなり鬱陶しい女性だと思うのですが、
とてもチャーミングでした
成志さんの愛すべきダメ男っぷりもお見事。

忠兵衛と梅川は、出会う場面は印象的に描かれていますが、
それ以降は2人の場面では描かれないんですよね。
吉原という閉鎖的な場でのことだからかな。
破滅へとひた走るスピード感とスリリングさには引き込まれました。
さすが、芸達者なお2人ですね。

江戸から逃げた2人は、一面の銀世界で心中するのですが、
肌襦袢の赤と、雪の白との対比がとても美しかったです。
そして、その真紅の肌襦袢。
前半で、お亀が母親に「この縮緬で肌着を仕立てなさい。
女は身に着けるものが大事なのよ」と勧める場面があるのですが、
それも、キレイな赤い布だったんですよね。
きっとお亀も赤い肌襦袢を身につけていたんだろうな、と。
そしてお亀は一人先立ってしまいますが、
最終的には与兵衛のことは許していたんだろうな、と。
2人の哀しい女性の対比が、印象的でした。

いのうえさんの演出は、やっぱり効果音の使い方が特徴的かなーと。
そこまでしなくても?と最初は思いましたが、
やっぱりあの大きさの劇場では、繊細なお芝居は伝わりにくいですもんね。
効果音があることで、分かりやすくなっていたように思います。

ハッピーエンドではないので、そこはかとなく哀しい気持ちになるのですが。
次の日もなんか哀しい気持ちが残っていて、なんでだっけ?と。
あぁ、そうか、昨日近松心中物語を見たからか、と。



ロビーにあった立派なお花・・・お花?角松?


裏から見てもステキです
久しぶりのLIFE以外の作品、堪能させていただきました。

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