レイ・チャールズの半生を要領よくまとめた作品だが、感銘度は低い。
幼い頃に父が家庭を捨て、貧困の中で母と暮らし、そんな逆境をバネにして世に出たはずが、妻以外に多くの女を作り、挙げ句の果てはドラッグに溺れる。要するにロクデナシの父親と同じことをしているわけで、違いと言えば“ビッグになってカネが出来、好き勝手に振る舞えた”という状況だけ。そのジレンマと葛藤を映画は深く突っ込まない。
監督にテイラー・ハックフォードという“面白味のない人材”を起用したことも大きいが、作品自体が“レイ・チャールズの追悼イベント映画”みたいな性格で製作されているフシがあるのは愉快になれない。
子供時代の親子関係が後の人生に大きく影響を与えたというのなら、晩年近くの主人公が幼い頃を回想する形式にした方がはるかにドラマを感動的に仕立て上げることが出来ただろう。
それにしても、我々がよく知っているレイ・チャールズのヒット曲の数々が、彼がヘロインにどっぷり漬かっていた頃に生み出されたものが多いことは、改めてミュージシャンとドラッグの関係性を考えさせられる。
使われている楽曲及び演奏シーンは文句なし。美術も良い。主演のジェイミー・フォックスは熱演だが、モノマネに終わっているという意見も出るかもしれない。
幼い頃に父が家庭を捨て、貧困の中で母と暮らし、そんな逆境をバネにして世に出たはずが、妻以外に多くの女を作り、挙げ句の果てはドラッグに溺れる。要するにロクデナシの父親と同じことをしているわけで、違いと言えば“ビッグになってカネが出来、好き勝手に振る舞えた”という状況だけ。そのジレンマと葛藤を映画は深く突っ込まない。
監督にテイラー・ハックフォードという“面白味のない人材”を起用したことも大きいが、作品自体が“レイ・チャールズの追悼イベント映画”みたいな性格で製作されているフシがあるのは愉快になれない。
子供時代の親子関係が後の人生に大きく影響を与えたというのなら、晩年近くの主人公が幼い頃を回想する形式にした方がはるかにドラマを感動的に仕立て上げることが出来ただろう。
それにしても、我々がよく知っているレイ・チャールズのヒット曲の数々が、彼がヘロインにどっぷり漬かっていた頃に生み出されたものが多いことは、改めてミュージシャンとドラッグの関係性を考えさせられる。
使われている楽曲及び演奏シーンは文句なし。美術も良い。主演のジェイミー・フォックスは熱演だが、モノマネに終わっているという意見も出るかもしれない。

