(原題:Man on Fire)チラチラとしたケレン味たっぷりの画像処理が鬱陶しい。トニー・スコット監督好みのこういう手法は「スパイ・ゲーム」のようにしっかりとした筋立てのドラマの中に適度に挿入すると効果的だが、残念ながらこの映画は脚本が万全ではない。
特に後半、誘拐された幼い少女の“復讐”のために鬼と化す米軍特殊部隊あがりのボディガードの暴走を追うくだりは、段取りが非常にまだるっこしく、それに上記の映像ギミックが頻繁に重なるもんだから、観ている側は面倒くさくなってしまう。こういうのは切れ味鋭く短時間にまとめるものだ。
前半の、心に傷を負った主人公が9歳の女の子と出会って微笑みを取り戻すくだりは、演じるデンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングの好演も相まって(少し冗長ながら)いい感じで進んできたのに、誘拐事件が起こった後の展開は無茶苦茶だ。
かと思えば拷問場面などの残虐シーンは念入りに撮られており(そのためR-15指定だ)、何やら映画のつかみ所が判然としない印象がある。
それにしても、こういう事件が頻繁に発生する中南米地区はコワいものがあるが、劇中そんな現地の状況をアメリカ人がバカにしているような雰囲気があるのも愉快になれない。A・J・クィネルによる原作(こっちは舞台はイタリアらしい)はシリーズ物になっているとのことだが、映画の場合はどうなるか不明である。
特に後半、誘拐された幼い少女の“復讐”のために鬼と化す米軍特殊部隊あがりのボディガードの暴走を追うくだりは、段取りが非常にまだるっこしく、それに上記の映像ギミックが頻繁に重なるもんだから、観ている側は面倒くさくなってしまう。こういうのは切れ味鋭く短時間にまとめるものだ。
前半の、心に傷を負った主人公が9歳の女の子と出会って微笑みを取り戻すくだりは、演じるデンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングの好演も相まって(少し冗長ながら)いい感じで進んできたのに、誘拐事件が起こった後の展開は無茶苦茶だ。
かと思えば拷問場面などの残虐シーンは念入りに撮られており(そのためR-15指定だ)、何やら映画のつかみ所が判然としない印象がある。
それにしても、こういう事件が頻繁に発生する中南米地区はコワいものがあるが、劇中そんな現地の状況をアメリカ人がバカにしているような雰囲気があるのも愉快になれない。A・J・クィネルによる原作(こっちは舞台はイタリアらしい)はシリーズ物になっているとのことだが、映画の場合はどうなるか不明である。