チャウ・シンチーの前作「少林サッカー」を世評ほどに面白く感じなかったのは、サッカーという“ルールのある競技”をネタとして選んでいたにもかかわらず、実際は“クンフーでのドツキ合い”に終わっていた点である。これではサッカーを題材にした意味があまりない。我が国の往年のマンガ「アストロ球団」を見習って欲しいと思ったものだ(笑)。
ところが本作は、最初から“主人公と悪者との肉弾戦”といった香港製活劇の伝統スタイルを踏襲している関係上、戦い方においては“何でもアリ”の状況を可能にしている。これは正解だ。しかもグラウンドでの平面的な舞台設定がメインだった「少林サッカー」に比べ、本作は豪華なセットの中での立体的なアクションが展開。個々の活劇場面についても良くアイデアが練られており、爆笑と驚愕のポイントは極めて高い。
そして何よりキャラクターが濃い。どいつもこいつも観ていてゲップが出そうなほどのテンションの高さだ。展開もテンポ良く、ラストに“泣かせ”の場面をも用意しておく等、チャウ・シンチーの監督としての“成長”が感じられる。
とにかく“娯楽の殿堂、香港映画”を地でゆく快作で、誰にでも勧められる映画である。
ところが本作は、最初から“主人公と悪者との肉弾戦”といった香港製活劇の伝統スタイルを踏襲している関係上、戦い方においては“何でもアリ”の状況を可能にしている。これは正解だ。しかもグラウンドでの平面的な舞台設定がメインだった「少林サッカー」に比べ、本作は豪華なセットの中での立体的なアクションが展開。個々の活劇場面についても良くアイデアが練られており、爆笑と驚愕のポイントは極めて高い。
そして何よりキャラクターが濃い。どいつもこいつも観ていてゲップが出そうなほどのテンションの高さだ。展開もテンポ良く、ラストに“泣かせ”の場面をも用意しておく等、チャウ・シンチーの監督としての“成長”が感じられる。
とにかく“娯楽の殿堂、香港映画”を地でゆく快作で、誰にでも勧められる映画である。