(原題:Paycheck)2003年作品。近未来を舞台に、3年分の記憶を消された男の決死の逃避行をスリリングに描く活劇編だ。「マイノリティ・リポート」といい「クローン」といいフィリップ・K・ディックの小説はSFの意匠を取りながら、古典的なサスペンス劇としての映像化が実にしっくり来る。
記憶を無くした男が19個のガラクタ・アイテムを元に謎を解き、絵に描いたような“追われながら事件を解決する話”が展開する本作はヒッチコック・タッチそのものであり、ジョン・ウー監督のヒッチコックへの傾倒ぶりを如実に示した一編である。「めまい」や「北北西に進路を取れ」「鳥」などの作品にオマージュを捧げつつも、同時にそんな個人的趣味をお気楽なハリウッド製活劇の中で違和感なく全面展開させる「狡猾さ」にも感服。
しかも、従来よりの“ジョン・ウー印”も健在で、男同士の友情と裏切りはあるし、ガン&カーアクション場面は優雅だし、意味もなく白い鳩がスローモーションで羽ばたくし、互いに銃を突きつけるお馴染みのポーズの後は武器を捨てて格闘戦に移行する(笑)。
身体のキレが良いとは思えないベン・アフレックも今回に限っては頑張っているし、ユマ・サーマンは「キル・ビル」に続いての大暴れ。「フェイス/オフ」や「男たちの挽歌」ほどの深みはないが、十分楽しめるシャシンだ。ラストのオチも気が効いている。
記憶を無くした男が19個のガラクタ・アイテムを元に謎を解き、絵に描いたような“追われながら事件を解決する話”が展開する本作はヒッチコック・タッチそのものであり、ジョン・ウー監督のヒッチコックへの傾倒ぶりを如実に示した一編である。「めまい」や「北北西に進路を取れ」「鳥」などの作品にオマージュを捧げつつも、同時にそんな個人的趣味をお気楽なハリウッド製活劇の中で違和感なく全面展開させる「狡猾さ」にも感服。
しかも、従来よりの“ジョン・ウー印”も健在で、男同士の友情と裏切りはあるし、ガン&カーアクション場面は優雅だし、意味もなく白い鳩がスローモーションで羽ばたくし、互いに銃を突きつけるお馴染みのポーズの後は武器を捨てて格闘戦に移行する(笑)。
身体のキレが良いとは思えないベン・アフレックも今回に限っては頑張っているし、ユマ・サーマンは「キル・ビル」に続いての大暴れ。「フェイス/オフ」や「男たちの挽歌」ほどの深みはないが、十分楽しめるシャシンだ。ラストのオチも気が効いている。
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