(英題:OFFICER BLACK BELT)2024年9月よりNetflixから配信された韓国製のアクション編。一見、単純な勧善懲悪の図式を取っているシャシンのようだが、けっこう興味深いモチーフが採用されていて最後まで退屈せず向き合うことができた。また、主人公をはじめ各登場人物のキャラも立っていて、そのおかげで多少の作劇のアラも黙認可能だ(笑)。
ソウルに住むイ・ジョンドは、格闘技とeスポーツが大好きな若造だ。一方で、父親が経営する食堂をせっせと手伝うマジメな面も持っている。そんな彼がある日、暴漢に襲われていた男を得意の体術で助ける。その被害者は保護観察中の犯罪者を取り締まる実務官で、負傷した本人の代わりにジョンドは期間限定で実務官の仕事を引き受けることになる。リーダーのキム・ソンミンと共に観察中に悪事をはたらこうとする者たちを監視するジョンドだが、やがて出所してきた大物犯罪者およびその一味と全面対決することになる。
まず、タイトルにある武道実務官が実在するというのが面白い。警察とは違う法務セクションが統括する保護観察官に類するものだが、実力行使はもとより逮捕権もある。また、観察対象者には期間中は電波発信機が内蔵された足輪が取り付けられ、バッテリーが切れかかったり連絡が取れなくなったら直ちに実務官が急行するというシステムも興味深い。
直情径行型のジョンドと温厚で冷静なソンミンとのコンビネーションは良好で、よくあるバディ・ムービーの形式は訴求力が高い。対する犯罪者側も凶悪な面子が揃っていて、これなら自然と主人公たちを応援したくなる。
もっとも、監察官と警察とのコンピネーションが上手く描けていなかったり、ジョンドのオタク仲間たちが何の権限も無いのに“活躍”を見せたりといった気になる点も無いではないが、そこは“勢い”でカバーされているようだ。それに、珍しく本作ではヒロイン役が登場せず、完全に野郎どもの話になっているあたり、かなり潔いと思う。
ジョンドに扮するキム・ウビンとソンミンを演じるキム・ソンギュンは好調で、演技面で問題が無いばかりではなく個性が屹立している。イ・ヘヨンにイ・ヒョンゴル、キム・ジョン、チャン・ワンヒョンなど他のキャストも申し分ない。脚本も担当したキム・ジュファンの演出も闊達で、聞けばこのような建て付けの作品を過去に何本か手掛けているらしく、アクションシーンのキレは目覚ましいものがある。イ・テオのカメラによるソウルの下町の風景も印象的だ。
ソウルに住むイ・ジョンドは、格闘技とeスポーツが大好きな若造だ。一方で、父親が経営する食堂をせっせと手伝うマジメな面も持っている。そんな彼がある日、暴漢に襲われていた男を得意の体術で助ける。その被害者は保護観察中の犯罪者を取り締まる実務官で、負傷した本人の代わりにジョンドは期間限定で実務官の仕事を引き受けることになる。リーダーのキム・ソンミンと共に観察中に悪事をはたらこうとする者たちを監視するジョンドだが、やがて出所してきた大物犯罪者およびその一味と全面対決することになる。
まず、タイトルにある武道実務官が実在するというのが面白い。警察とは違う法務セクションが統括する保護観察官に類するものだが、実力行使はもとより逮捕権もある。また、観察対象者には期間中は電波発信機が内蔵された足輪が取り付けられ、バッテリーが切れかかったり連絡が取れなくなったら直ちに実務官が急行するというシステムも興味深い。
直情径行型のジョンドと温厚で冷静なソンミンとのコンビネーションは良好で、よくあるバディ・ムービーの形式は訴求力が高い。対する犯罪者側も凶悪な面子が揃っていて、これなら自然と主人公たちを応援したくなる。
もっとも、監察官と警察とのコンピネーションが上手く描けていなかったり、ジョンドのオタク仲間たちが何の権限も無いのに“活躍”を見せたりといった気になる点も無いではないが、そこは“勢い”でカバーされているようだ。それに、珍しく本作ではヒロイン役が登場せず、完全に野郎どもの話になっているあたり、かなり潔いと思う。
ジョンドに扮するキム・ウビンとソンミンを演じるキム・ソンギュンは好調で、演技面で問題が無いばかりではなく個性が屹立している。イ・ヘヨンにイ・ヒョンゴル、キム・ジョン、チャン・ワンヒョンなど他のキャストも申し分ない。脚本も担当したキム・ジュファンの演出も闊達で、聞けばこのような建て付けの作品を過去に何本か手掛けているらしく、アクションシーンのキレは目覚ましいものがある。イ・テオのカメラによるソウルの下町の風景も印象的だ。