猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

レッド・ドラゴン

2013-08-20 02:57:31 | 日記
2001年のアメリカ映画「レッド・ドラゴン」。
元FBI捜査官のウィル・グラハム(エドワード・ノートン)は、仕事を辞め、妻子とフロリダに
住んでいた。
そこへFBIの元上司クロフォードが訪ねてきて、猟奇殺人事件の解決に力を貸して欲しいと言う。
グラハムは優秀なプロファイラーだったのだが、「人食いハンニバル」ことハンニバル・レクター
(アンソニー・ホプキンス)を逮捕する際重傷を負い、精神的に参ってしまいFBIを辞めたのだった。
初めは断るグラハムだったが、つながりのない2つの家族全員が惨殺されるという事件の解決を
請われ、妻が心配する中捜査に協力することになった。
グラハムらは事件の起きたアトランタに飛び、現場を見て、殺され方や犯人像を考えた。
更にクロフォードは、グラハムが逮捕して刑務所に入っている、ハンニバル・レクターに意見を
求めるように言う。レクターは殺人鬼でありながら、天才的な精神科医なのだ。
グラハムはレクター逮捕の時に精神的にボロボロになったものの、事件の真相を知りたいと
思い、レクターに会いにいくことにする。
一方、ビデオ技師として働いている”D”ことフランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)は、
顔の傷のために孤独な人生を送っており、自らを超越したいと望んでいた。

大ヒットした「羊たちの沈黙」「ハンニバル」に続くレクター博士3部作だが、時系列としてはこの
映画が1作目に当たる。すごくおもしろかった。「羊たちの沈黙」もかなりおもしろかったが、
(「ハンニバル」もおもしろいけど)この「レッド・ドラゴン」が1番おもしろい。
とにかく話がよくできている。おもしろすぎて画面から目が離せない。「羊たちの沈黙」や「ハン
ニバル」はサイコ・サスペンスという感じだが、この映画はサイコ・ミステリーの色が濃い。
グラハムがレクター博士に意見をもらいながら、少しずつ謎が解けていく過程が、本当におもし
ろい。話もおもしろいが、やっぱりエドワード・ノートンの演技がすごいと思う。
「羊たちの沈黙」と「ハンニバル」は主役がそれぞれジョディ・フォスターとジュリアン・ムーアで
華があったが、こちらはエドワード・ノートンで全体的に地味なのだが、そんなことは気になら
ないくらいよくできていた。
畳み掛けるようなラストに、エドワード・ノートンってすごいなあ、と思った。

実はこの「レッド・ドラゴン」、「羊たちの沈黙」が制作される何年も前に、1度低予算で作られて
いる。「刑事グラハム/凍りついた欲望」というタイトルで、勿論レクター博士役もアンソニー・
ホプキンスではない。
「羊たちの沈黙」が大ヒットしたので「レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙」に改題された。
私はこの「刑事グラハム/凍りついた欲望」もずっと前に見ていたのだが、知らない俳優ばかりで
「レッド・ドラゴン」より更に地味だったが、これはこれでおもしろかった。