猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

許されざる者

2013-09-21 03:23:39 | 日記
「許されざる者」を見にいった。アメリカ映画のリメイクである。
1880年(明治13年)、北海道の開拓時代。農民として暮らす釜田十兵衛(渡辺謙)のところに、
ある日昔の仲間馬場金吾(柄本明)が訪ねてくる。
十兵衛と金吾は、幕末に幕府軍に所属し、官軍と戦った戦友だった。特に十兵衛は「人斬り
十兵衛」と言われ恐れられた存在だった。
北海道へ逃げてからも討伐隊に追われたが、行方不明となっていた。金吾は風の噂を頼りに
十兵衛の居場所を探し出し、やってきたのだった。
金吾は鷲路まで一緒に賞金稼ぎに行こうと誘った。女郎の顔を切り刻んだ2人の開拓民に、
女郎仲間が1000円の賞金をかけたと言うのだ。
十兵衛はこの地で妻と知り合い結婚したことをきっかけに、2度と人を殺さないと決意して
いた。妻は3年前に亡くなったが、その誓いを守り続けている。
1度は金吾の誘いを断ったが、幼い2人の子供たちが日々食べるものにも困っている現状を
考え、11年前に封印した刀を取り出し、金吾と一緒に鷲路に行くことにした。
途中で沢田五郎(柳楽優弥)という若者がついてきて、賞金稼ぎに加わりたいと言ってきた。
五郎は自分が役に立つことを売り込み、3人で鷲路を目指すことになった。
鷲路の村では、初代村長兼警察署長を務める大石一蔵(佐藤浩市)が絶対的な権力を持っていた。

私はオリジナルを見ていないので比べようがないのだが、おもしろかった。大体リメイクの
方は良くないことが多いと思うのだが(フランス映画をアメリカでリメイクするのだけはやめて
欲しい)、これは良くできているのではないかと思った。BSでオリジナルの「許されざる者」が
放送されたので録画しているのだが、そのうち見比べてみようと思っている。
とても重たい物語だった。不幸な目に遭う人がたくさん登場する。時代のせいなのだろうが、
見ていてとても痛ましい。
女郎の顔を切り刻んだ男たち(実は1人はもう1人を止めようとしたのだが、”悪人”になって
しまった)を殺して賞金を獲得するというメインのストーリーに、アイヌの話が入っている。
五郎もアイヌだし、十兵衛の死んだ妻もアイヌである。アイヌの話って入れなきゃならなかった
のかな?と思ったのだが、北海道の開拓時代が舞台になっている以上、避けては通れなかった
のかもしれない。個人的に、私はアイヌの問題は苦手である。
オリジナルはアメリカ映画なので当然アイヌ問題は絡ませていないだろうが、その代わりに
人種差別問題とかが描かれているのだろうか。
渡辺謙さんがかっこいい。かつて人斬りだったという十字架を背負い、農民として貧しい
暮らしをしている十兵衛が、再び刀を持たなければならない悲しさ。
佐藤浩市さんの憎たらしい暴君ぶり。2人ともすごいなあと思った。
この映画では銃と刀が出てくるが、私は刀の方が好きなので、もしかするとオリジナルより
日本映画の方が気に入るかもしれない。
「るろうに剣心」に少し設定が似ているのもいい。人斬り抜刀斎。剣心かっこいい。