猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

最愛の夏

2018-05-14 23:31:01 | 日記
1999年の台湾映画「最愛の夏」。

17歳の夏休み、普段は台北の学校の寄宿舎にいるカンイ(リー・カンイ)も実家に帰省
してきた。カンイの両親は数年前に事故に遭い、母親は死亡、父親は失明した。その
後父親は盲目の女性と再婚し、自宅アパートでマッサージ院を開いて生活していた。
同じアパートに住むヤクザのソンは心強い存在だ。ある日、ソンが面倒を見ているア
ピン(ファン・チィウェイ)という少年と知り合ったカンイは、彼に思いを寄せる。彼
をデートに誘い色んなことを語り合う2人だったが、小さなこの港町ではよそ者のア
ピンのことを快く思わない者たちもいた。

台湾の少女のひと夏の恋や家族を描いた青春映画。私がすごく好きなタイプの映画だ。
物語もだがとにかく映像が暗い。台北とは違う、小さな港町の雰囲気がよく出ている。
主人公カンイは事故で母親を亡くし、父親はその時に失明し、盲目の女性と再婚して
自宅でマッサージ院を開いている。弟は知的障害者である。でもカンイには悲壮感が
なく、元気な少女だ。私なんかは母親が死んだのにすぐに(かどうかはわからないが)
自分と同じ盲目の女性と再婚する父親のことを何だかなあ…と思ってしまうが、生き
ていくためには必要なことだったんだろうな。そして同じアパートに住むヤクザは気
のいい男で、カンイの家族に何かと良くしてくれるので、カンイたちも彼を頼ってい
る。ヤクザが普通に町に溶け込んでいるのって何だか不思議。ある日そのヤクザは友
人の息子であるアピンという少年を連れてくる。カンイとアピンはやがて思い合うよ
うになる。
カンイの弟は知的障害があるが、カンイの気持ちに気づき、「姉さんはフォーリンラ
ブ」としょっちゅう言ってはカンイに怒られるのがユーモラス。アパートに住む人た
ちもその近所の人たちもはっきり言ってガラが悪いのだが、カンイは気にせず夏休み
を楽しんでいる様子もいいし、画面から台湾の港町の暑さが漂ってくる感じもいい。
カンイ役のリー・カンイは17歳にしては少し幼く見えたがかわいいし、アピン役のフ
ァン・チィウェイはイケメンだ。
終盤の展開は悲しい。それでもカンイは前を向いて生きていこうとする。カンイの笑
顔が見られるラストシーンは印象的である。ただ、邦題がちょっと…原題は「黒暗之
光」だが、こっちの方がいいと思った。大好きな映画のひとつである。



ノエルの写真を撮りすぎて、どれをブログに載せてどれを載せていないのか、わから
なくなってきました(^-^;











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