猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

正欲

2023-11-17 22:30:08 | 日記
2023年の日本映画「正欲」を観に行った。

横浜地方検察庁の検事である寺井啓喜(稲垣吾郎)は、小4の息子が
不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のシ
ョッピングモールで販売員として働く桐生夏月(新垣結衣)は、実家
暮らしで代わり映えのしない日々を送っている。ある日、中学の時
に横浜に転校していった佐々木佳道(磯村勇斗)が地元に戻ってきた
ことを知る。大学のダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれ
るほどの容姿を持つ諸橋大也(佐藤寛太)。学園祭でダイバーシティ
をテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演
を計画した神戸八重子(東野絢香)はそんな大也を気にしていた。様
々に異なる背景を持つこの5人だが、少しずつ彼らの関係は交差し
ていく。

朝井リョウ氏の小説の映画化。メインの登場人物は5人で、群像劇
という感じ。横浜の検事の寺井啓喜は小4の息子が不登校になり、
同じ年の不登校YouTuberに憧れている。同じように動画配信をや
ってみたいという息子を巡って、妻と意見が対立している。広島の
ショッピングモールで働く桐生夏月は実家暮らしで退屈な毎日に閉
塞感を抱えている。ある日、中学の時横浜に転校した同級生の佐々
木佳道が地元に戻ってきたことを知る。
女子大生の神戸八重子は学園祭の実行委員を務めており、昨年まで
行われていたミス・ミスターコンテストの代わりに、多様性を称え
るダイバーシティフェスの開催を計画していた。ダンスサークルに
所属する諸橋大也は昨年の準ミスター受賞者だった。八重子は過去
のトラウマから男性恐怖症だが、大也だけは何故か平気だ。ダンス
の練習に励む大也から目が離せず、そんな八重子の気持ちに大也も
気づいていく。
ある日、啓喜は事務官から、現在扱っている案件に類似した過去の
事件として、男が蛇口を盗み捕まった事件があると聞かされる。当
時の新聞記事には男が「水を出しっ放しにするのが嬉しかったと供
述している」と書かれており、事務官に「バカなの?」と尋ねる。
事務官は「色んな性癖やフェチの人がいるようですよ」と答える。
その時扱っていた案件は4度目の万引きで逮捕された女の事件で、
同じ店で万引きをし、3回までは店長が警察には届けずに我慢した
が、4回目で店長はとうとう通報したのだった。女はぺこぺこと謝
っていたが、「フェチか何か知らないけど盗みはダメでしょう」と
啓喜はイラつく。
この映画には水がよく登場する。夏月と佳道はいわゆる水フェチで、
中学生の時そのことで心が通じ合った気がしていた。2人は再会を
喜ぶ。大也は八重子だけでなく誰にも心を開かず、自分の話をして
きた八重子に「同情して欲しいの?」と冷たい言葉を投げかける。
色んな人が登場する映画である。「多様性」という言葉を最近よく
聞くが、私は多様性というのはよくわからない。むしろ興味がない。
私にとって多様性はどうでもいいことだ。ゲイもいいだろう。男性
恐怖症もいいだろう。水フェチもまあいいだろう(理解はできない
が)。でもよそ様の水道を壊すのは犯罪だ。そして小児性愛(それも
幼い男の子)や児童買春はアウトで、完全に犯罪である。小児性愛
のシーンに目を背けたくなった観客は多いのではないだろうか。
私もその1人だ。
啓喜は息子が不登校YouTuberになることに反対し、普通の人生を
歩んで欲しいと思っているが、妻は違う。息子が同じ年のインフル
エンサーに憧れても、「ああいう子たちは詐欺師って言うんだよ」
と言う。しかし妻と息子は納得できない。妻は、息子が動画配信を
するようになってから明るくなったと喜ぶのだ。この件に関しては
私は啓喜に賛成する。不登校、義務教育を受けないことはいいこと
なのか?妻と息子の言い分はそう聞こえるのだ。だが人間、教育は
必要だと思う。勉強して損することは何もないと思う。妻と息子は
「学校に行けてない」と言うが、行けてないのではなく自分の意志
で「行かない」のだ。妻と息子はそれをわかっているのだろうか、
と思った。
啓喜が息子に言った「逃げ癖がつくと辛いよ」という言葉が真理だ
と思った。啓喜は検事で、いわゆるエリートだ。だから余計そんな
ふうに思うのだろう。配信をやめてしまえと言う啓喜に妻は猛反発
し、息子は「お母さんをいじめるな」と言う。このシーンは啓喜の
気持ちを思うと辛かった。やっぱり子供は母親を庇うものだろうか。
そして夏月は代わり映えのしない退屈な毎日を送っているからとい
って、何をあんなにイライラしているのだろうと思った。30歳く
らいの設定だが、年齢の割に幼稚だと思った。啓喜以外の誰にも共
感できなかったが、おもしろかった。稲垣吾郎の演技はとても良か
ったと思う。こういう物語を書く朝井リョウはすごいと思った。



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コメント (2)
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