今日はネタ切れなので、本のご紹介です。
物は物にして物にあらず物語 借りたハンカチ
物をめぐるショート・ショート
1989年5月第1刷発行なので、もう20年前の作品になります。
当時、創刊されたばかりの料理雑誌「オレンジ・ページ」に連載された短編集を単行本にしたものです。
安西水丸さんのイラストもステキ。
あの頃、私はお料理のレパートリーを増やそうと、この雑誌を定期購読していたのでした。
そこで、私は 干刈あがたさんの作品と出会いました。
それまで私は、小説という分野で、女性は男性には勝てないと思っていました。
ようするに私は、推理小説やサスペンスばかり読んでいたので、どうしても男性作家の方がスケールの大きい作品だったのですね。
それが、彼女の作品「樹下の家族」「ウホッホ探検隊」「ゆっくり東京女子マラソン」と出会って、考えを改めました。
内容は、彼女自身の離婚経験を基にした小説です。
これは、女性にしか書けない。そう思いました。
私は、彼女のファンになりました。
彼女は、ちょうど私の10歳上で、1943年生まれの団塊の世代になります。
離婚女性は、まだ堂々と胸を張って暮らしてゆけない時代でした。
残念なことに、彼女は1992年胃がんのため、亡くなりました。49歳でした。
あ、そういえば、この本、オレンジ・ページのプレゼントで当選したんだっけ・・・
シリーズ「借りたハンカチ」と「十一歳の自転車」の2冊があります。