チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第179話 山口先生

2010年03月14日 | チエちゃん
1年3組は、国語の時間です。
国語の先生は、まだ若い女の先生でした。

 先生、質問! 先生、もう、キスした?

 きゃあ~、やだ~!
 ワイ、ワイ、ガヤ、ガヤ、・・・・・・
 
静かだった教室が、一人の男子の発言で騒然となってしまったのです。
先生の顔が、見る見る紅くなりました。それでも、毅然と、

 今は、授業中です。授業と関係のない話は止めましょう!
 え~っ、教えてくれたって、いいじゃん。
 そうだ!そうだ!教えろっ!教えろっ!・・・・・

たちまち、クラス全員の大合唱になってしまいました。
なんとか止めさせようとした先生は、とうとう泣き出してしまったのです。

生徒たちは、さすがにやり過ぎたと思いました。

中学校の山口先生は、チエちゃんたちの小学校の担任だった小木先生と婚約していました。
チエちゃんたちは、大好きな小木先生を山口先生に取られたような気がして、憎らしかったのです。
だから、男子生徒が質問をした時、いい気味だ、困らせちゃえという心理が働いてしまったのでした。

ホントは、チエちゃんたちも分かっていたのです。
美人で、大人の山口先生に、子どもの自分たちなんか太刀打ちできないってこと。