チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第139話 ピーターパン

2008年03月04日 | チエちゃん
 チエちゃん家には古ぼけた本箱がありました。
新品の時には、さぞかし立派であったと思われ、ガラス戸の内側にはカーテン様の布が付いておりましたが、あの頃すでにすすけた茶色に変色しており、扉を開ける時もギィーと不気味な音を立てていました。

 その本箱の中には、桃太郎、さるかに合戦、はなさかじいさんの絵本、賢三兄からもらった「冒険王」やまぼろし探偵が連載されていた「少年画報」、お父さんの好きな山田風太郎の忍法帖、農家の雑誌「家の光」などに混じって、一冊のディズニーマンガがありました。

 それが、当時珍しいオールページカラー印刷の「ピーターパン」だったのです。
ディズニーアニメそのままの絵が並び、チエちゃんを夢の世界へと連れて行ってくれたものでした。
小さな妖精ティンカーベルはチエちゃんの大のお気に入りだったし、フック船長とピータ-パンの息詰まる戦いにはハラハラドキドキさせられました。

 ところが、このマンガ、表紙が破れてなくなっていて、最初の4・5ページ部分も失われていました。
この物語の最初はどうなっているのか、どうしても気になったチエちゃんは、長じてから、あちこちの本屋を探し回ったのですが、とうとう同じマンガ本を手に入れることはできませんでした。

 今なら、40年前の思いをなんとかできるかもしれない。
こんなに、インターネットが発達しているのだから・・・・