プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

●おそるべし老年パワー

2005-11-21 10:03:58 | 日記・エッセイ・コラム
 11月20日の松岡・九頭竜マラソンの前日、宿泊先の食堂で岩手県から参加する男性に声をかけられた。全都道府県のフルマラソンを完走するのが目標だという。現在65歳。フルマラソンを走り始めたのが60歳からとか。

 旅程を聞くうちに、底知れないパワーが伝わってきた。奥さんと二人の旅で、車の運転はご主人だけなので、陸路を福井県まで来るだけでも疲れる旅だ。それが20日のマラソンを走った後、23日の福知山マラソンに参加し、さらには、27日の河口湖マラソンを走る予定だという。実に一週間で3回のフルマラソンを走るというのだ。しかも、タイムがサブフォーと聞き、またまたびっくり。今年、100キロウルトラマラソンに初挑戦し12時間でゴールしたと明かされると、もう私とは住む世界が違い、ただただ聞き役に回る一方だった。

 私などは、レースよりもビフォア、或いはアフターの観光の方が魅力だけに、凄まじいまでの執念に驚くばかりだった。今回も自宅を早朝発てば、日帰りが十分可能なのに、前日、紅葉の名所巡りをして宿で温泉に浸かって手足を伸ばした。写真は、日本一短い手紙で有名な丸岡城の天守閣と公園と虹。あいにくの雨模様だったが、薄日がさしてきて空に大きな虹が弧を描いた。翌20日の好天を暗示するかのように。EPSN0009EPSN0004EPSN0011





●高橋尚子復活の日に思う

2005-11-21 09:38:13 | 日記・エッセイ・コラム
 11月20日開催された東京国際女子マラソンで、高橋尚子が優勝したニュースが、テレビ・新聞で仰々しく取り扱われている。2年振りの復活は、確かに快挙だが、1人のランナーをことさらに英雄視するマスコミ姿勢に、どうしても反感を抱いてしまう。

 各スポーツ分野で、一生懸命汗を流している多くの選手がいる中で、話題性をドラマ仕立てにして悲壮感を喧伝するマスコミの軽薄さにガマンならないのだ。まして、マラソンを走った経験もないゲストやアナウンサーがうんちくを並べるにいたってはフザケルナと言いたくなる。往年の名選手瀬古さんが、「彼女はアメリカで遊んでいますから、あと数年は走れるでしょうね」の言葉が私には印象深かった。
 
 さて、同じ20日。私は福井県松岡町で開催された「松岡・九頭竜マラソン大会」に参加した。総勢600数十人の市民マラソンだが、エリートランナー以上の感動的なシーンがいつも見られる。本大会にも数人の盲目ランナーが出場していたが、伴走者のロープに誘導されて走る姿は実に感動的だ。道路の凹凸や段差は、健常者でさえ足をとられたりするのに、研ぎすまされた神経を集中して難なく避けて走り過ぎる。しかも、私なんかよりもはるかに速い。「今日はなんとしても4時間を切りたい」「そう、じゃあ頑張りましょう!」と励ましあいながらすれ違ったランナーに思わず拍手を送りたくなった。ランナーと伴走者の呼吸が合わないと、スムーズな走りが出来ようもなく、いつも感心させられる。そして、元気を一杯もらっている。

 スポーツには色々な楽しみ方があるが、やはり観るよりも自ら行うことで、同じ競技も観戦の仕方まで変わる。テレビ局のアナウンサーやキャスターに是非、実践してもらいたいものだ。