4月8日から二泊三日で吉野の桜見物に出かけた。3万本ともいわれる吉野の桜は、その8割ほどが白山桜なので、ポスターで見るほどクリアではなかったが、山容に花霞がかかったようでちがう趣があった。トレーニングを兼ねて、近鉄吉野駅からケーブルやバスを使わず、下千本・中千本・上千本とたっぷり半日をかけて水区神社までを往復した。
左の写真はランナーの守り神”韋駄天”を祀ってある韋駄天山から蔵王堂を仰ぐ隠れたスポットだ。多くの見どころがあるが、人気の高い「竹林院」の庭は必見で、前泊したかったのだが、あいにく満室だったのが残念だ。
下手な説明より写真をご覧頂いた方が雄弁だろう。古人がこよなく愛でた吉野の桜の今昔の違いは知る由もないが、歩行者天国を闊歩する見物客の雑踏は往時の粋とは程遠いに違いない。
「いく歳月 耐え忍びつつ 咲き誇る いにしえ人の 恋しかるらん」などと下手な歌が浮かんだ。花より団子とばかりに、土産物屋や茶店に足を止める花見客の多さに、吉野の里は賑わいにけりと結ぶ方が正確に思えた。